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事業承継では「何を」承継するのか?

前回、事業承継の3つの類型(親族内承継・親族外承継・社外への引継ぎ)を紹介しました。

http://kitakyushu-assist.com/keiei-kaizen/post-1409.html

これは、経営の基本の「誰に・何を・どのように」の中の「誰に」に該当します。

今回はこの要素の中の「何を」に注目した内容を紹介します。

最後の「どのように」は目的や状況によって様々な方法がありますので、順次、紹介していきます。

 

3つの引き継ぐもの

後継者に承継すべき経営資源は、次のものがあります・

(1) :社長の役割と経営権

(2) 資産:自社株式、事業用資産(設備・不動産など)、資金(運転資金・借入など)

(3) 知的資産(目に見えない経営資源):経営理念、従業員の技術や技能、ノウハウ、経営者の信用、取引先との人脈、顧客情報、知的財産権(特許等)、許認可など

 

(1) 人の承継

人の承継とは、後継者への経営権の承継を指します。

会社形態であれば「代表取締役の交代」、個人事業主であれば「現経営者の廃業・後継者の開業」になります。

現経営者が維持・成長させてきた事業を誰の手に委ねるべきか、適切な後継者の選定は事業承継の成否を決する極めて重要な問題です。

特に、中小企業においてはノウハウや取引関係等が経営者個人に集中していることが多いため、事業の円滑な運営や業績が経営者の資質に大きく左右される傾向があります。

「誰に」承継するかは、以前の記事を参照願います。

 

(2) 資産の承継

資産の承継とは、事業を行うために必要な資産(設備や不動産などの事業用資産、債権、債務)の承継を指します。

会社形態であれば、会社所有の資産の価値は株式に含まれるので、株式の承継が基本になります。

個人事業主の場合は、機械設備や不動産等の事業用資産を現経営者個人が所有していることが多いため、個々の資産を承継する必要があります。

また、株式・事業用資産を贈与・相続により承継する場合、資産の状況によっては多額の贈与税・相続税が発生することがあります。

この資産の承継の方法については、様々な制度、方法がありますので、別記事で紹介します。

 

(3) 知的資産の承継

● 知的資産とは何か

知的資産とは「企業の財務諸表」に記載されている資産以外の無形のものです。

人材、技術、技能、知的財産(特許・ブランドなど)、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなどで、企業における競争力の源泉です。

中小企業においては、経営者と従業員の信頼関係が事業運営において大きな比重を占めています。

経営者が代わってもその信頼関係を承継できるように準備しておくことが必要です。

また、顧客や仕入先、金融機関などの外部との信頼関係の維持も重要になります。

● 知的資産の承継のために

知的資産こそが会社の「強み」・「価値の源泉」であることから、知的資産を承継することができなければ、将来的に事業の継続すら危ぶまれる事態に陥ることも考えられます。

そのため、事業承継に際しては、自社の強み・価値の源泉がどこにあるのかを現経営者が理解し、これを後継者に承継するための取り組みが重要です。

 

事業承継の場合、会社の株式や資産を引き継ぐ「物的事業承継」に目が向けられますが、「目にみえにくい経営資源」の引継ぎの方が会社の継続・発展には重要です。

ビジネスの多くは、人との結びつきによって維持されています。

社長だけの引継ぎではなく、その周囲の幹部などの引継ぎも合せて考えることが重要です。

また、社長の交代に合わせた組織の見直しと再編が人的事業承継を成功させるための大きなポイントになります。

事業承継は、個々の会社の状況や取り巻く環境によって様々な進め方を検討する必要があります。

スムーズに行うためには、「現経営者の意思」「早い段階の着手」が必要で、専門家に支援を依頼することも選択肢の一つです。

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