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迫る大廃業時代 ~4つの視点の紹介~

日本経済新聞で、2018年8月20日~24日の4回シリーズで「迫る大廃業時代」と題した特集が掲載されていましたので、その記事をもとに「事業承継」の現状を紹介します。

特集での各回の見出しは、

(1) 死ぬまでやるしかない  *後継者がいない

(2) 国籍は問わない  *外国人に経営を任せる

(3) 融資先が消えていく  *地方の金融機関の疲弊

(4) 子離れができない  *事業承継税制の使い方

 

(1) 死ぬまでやるしかない

日本企業の99%を占める中小企業の多くが廃業の危機にあります。

中小企業経営者の平均引退年齢は「70歳」とのことですが、70歳を超える経営者の半数は後継者が未定の状態です。

未定の企業の多くが黒字の状態で、このままでは黒字企業の廃業が相次ぎ、2025年までに約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる可能性があるとの報告もあります。

かつては、「家業を継ぐ」のが当たり前の風潮でしたが、現在はそれが崩れ、事業承継も多様化しています。

事業承継の分類としては、

① 親族内承継、主に子供が承継

② 親族外承継、主に従業員が承継

③ M&A、企業を第三者に売却

がありますが、これができない場合は、廃業を選択するしかありません。

最近は、子供への承継は減少しています。

その代わりに、「従業員への承継」や「M&A」が増えていますが、事業承継が必要な企業の全体に占める割合は低いです。

事業承継がうまくいかない企業の中には、「代替製品・技術などで将来的には衰退する可能性がある企業」もあります。

また、黒字ではあるが、金融機関からの借入金が多く、従業員がこの借金までも引き継ぐことができない場合もあります。

そうなると、お客様のためにはやめるわけにはいかず、真面目な経営者は「死ぬまでやるしかない」となるのが現状です。

当社では、事業承継に関して、最適な方法を一緒に検討させて頂いてますが、承継ができない場合は、「経営者の今後の生活」を第一優先にした「廃業支援」にも取り組んでいます。

 

(2) 国籍は問わない

以前に近隣にある「大型の金属加工会社」の経営者の方とお話をしました。

その会社は、以前から、ベトナムから多くの「技能実習生」を採用し、また、技能実習生の受入れの「事業協同組合」の中心的な役割をしています。

更に最近は、「設計部門」に外国人の技術者を雇い入れています。

その社長には、お子様はいらっしゃいますが、「外国の方に会社を継がせたい」、「日本人よりも優秀でやる気がある」と真剣に話されていました。

農業分野でも日本人の後継者を確保するのが難しく、外国人を後継者として考えるところも出てきました。

また、外資系の企業が日本企業を買収する例も増えています。

「日本の企業の承継問題」は日本、日本人だけでは解決できなく、世界的な視点で考えていく必要があるようになってきました。

 

(3) 融資先が消えていく

これまで地方銀行が「M&A」を仲介するのは、「企業価値が10億円以上の案件」が中心で、中小・零細企業を相手にはしませんでした

迫りくる「大廃業時代」は、金融機関の融資先が消失していく時代の到来です。

そのため、最近は、「融資先である地元企業に後継者がいなくて廃業することへの懸念」と「国の事業承継への取組み強化」の影響で、地方銀行も中小・零細企業のM&Aに取りくむようになってきました。

地方銀行を含めて金融機関が単なる仲介以外の方法も実施し始めました(新聞の記事を転記)。

・あおぞら銀行は取引先の事業承継を橋渡しする目的で、小規模案件のファンドを地方銀行といっしょに運営 *後継者難に悩む企業をいったん買収して財務を整理し市場価値を高めてから他社に譲渡する。

・オリックスが中小企業を買収し、時間をかけて承継先を探す取り組みを開始。

 

(5) 子離れができない

これまで事業承継の障害になっていたのが、事業承継に伴う「贈与税」でした。

その贈与税の負担を取り除いて事業承継を円滑に進めようと2018年4月に導入されたのが「新・事業承継税制」で、これにより事業承継が一気に進むことが予測されました。

しかし、予測に反して、新制度の利用をためらう経営者が多く、利用が進んでいません

その理由は、税優遇の濫用を防ぐために、自分の子がその先の孫にまで事業を引き継いだ時点でようやく「贈与税が免除」されるためです。

多くの経営者が「孫の生き方までしばれない」と戸惑い、利用をためらっているとのことです。

新聞に記載の弁護士に相談に来られた約10人の経営者のほとんどが、事業承継税制を選ばなかっただけでなく、種類株を発行して事業承継の後も親に一定の支配権を残す方法をとったとのことです。

子供の手腕を信じ切れず、最後の最後で事業を完全に手放す決心ができない経営者が多くいます。

当社では、「新・事業承継税制」を考慮しつつ、種類株式の利用や「民事信託」の利用も含め、事業承継を最適に行うことを検討します。

 

事業承継に関して、日本経済新聞の特集記事を基に4つの視点を紹介しました。

この特集の中で、4回目の「新・事業承継税制」があまり利用されていないという内容には驚きました。

本税制と国家施策の各都道府県「事業引継ぎ支援センター」の設置、更に、地方自治体や商工会・商工会議所、並びに金融機関が一丸となって事業承継に取り組むことにより一気に効果がでてくると思っていましたが、まだ進んでいないのが現状のようです。

当社、「(株)事業パートナー九州」では、「事業承継」の実施には「事業再生」が必要と考えています。

「事業承継」を機に、現在の経営状況を把握して、整理すべきものは整理して、取り入れるべきものは取り入れて、事業の再構築をして承継することが必要と考えています。

 

 

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