人件費は最大のコストであり、投資でもある
企業の経営資源として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」と言われています。
中小企業の最大の経営資源は「ヒト」です。他の要素はこの「ヒト」の上に成り立っています。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、経済活動が停滞、変化している状態だからこそ、「ヒト」に関することを徹底して考え、実行すべきです。
そのポイントは、次の3つです。
1 労働生産性を高めるためには社員のやりがいを高める
2 優れた従業員を育てるには「期待する」こと
3 人件費が最大のコストであり、投資でもあることを認識すること
これらを、3回に分けて説明していきます。今回は3回目(最終)です。
人件費は最大のコストであり、投資でもある
一般的に日本の社長は社員の給料を経費と考えて、できるだけ安く使うことに考えを巡らせています。「人件費」というように給料は「費用」という概念があります。例えば、「広告宣伝費」は少なければその効果も少ない。「家賃」も安ければ場所が悪く機能性が低く、「車」も安い車はそれなりに機能性が低くなっています。つまり、すべて高いのにはそれなりの理由があります。
では、なぜ人件費は「できるだけ抑える」という考え方が定着してしまったのでしょうか?
大企業と中小企業の人件費の考え方の違い
大企業と中小企業の「人件費」に関する考え方の違いをみてみます。
大企業
人件費を投資として考えて優秀な人材を高給で雇う
中小企業
会社が儲かっても儲からなくても従業員の給料は平均並みで、あとはすべて社長が取るという考え方
上記の2つの違いからも分かるように、スタートの地点から会社が成長するかしないか、儲かるか儲からないかは決まっています。
対策として
・中小企業は大企業を見習って、人件費をコストと考えず、投資と考える
・最初から従業員全員を対象とせずに、始めは管理職や専門職の人から投資対象として給料を上げることを考える
・外部から稼げる人材を高給で雇うことを考える。その時の阻害要因として「現在いる従業員との調和が取れない!」等の言い訳をしてグズグズとためらってはならない。会社の業績は良くても悪くても社長の全責任であるので決断が必要
3回シリーズで、「新型コロナウィルス感染拡大」の中での経営について、「人」の資源の活用について、(株)事業パートナーの松本社長の著書をベースに紹介しました。
中小企業の資産(財産)は「人」が全てです。優秀な人材を集めることができれば良いのですが、中小企業では難しいのが現状で、そのため今いる貴重な従業員のレベルを上げ、定着してもらうことを継続的に行うことが重要です。
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