優れた社員を育てるには「期待する」
企業の経営資源として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」と言われています。
中小企業の最大の経営資源は「ヒト」です。他の要素はこの「ヒト」の上に成り立っています。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、経済活動が停滞、変化している状態だからこそ、「ヒト」に関することを徹底して考え、実行すべきです。
そのポイントは、次の3つです。
1 労働生産性を高めるためには社員のやりがいを高める
2 優れた従業員を育てるには「期待する」こと
3 人件費が最大のコストであり、投資でもあることを認識すること
これらを、3回に分けて説明していきます。今回は2回目です。
優れた社員を育てるには「期待する」こと
会社として夢があることが従業員の士気の源泉です。夢のない会社には人は集まりません。社長の第一の仕事は夢を創ることです。
無能な経営者の愚痴
・うちには「いい人」が来ない
・うちは「イエスマン」ばかりで自分で考えようとしない人間ばかりだよ
・うちには仕事を取れる奴はいないから、俺が一人で仕事を取っている
・どこかに「いい人」がいないかな
これらの愚痴を言う暇があるなら「人を育てる」ことを考えましょう。人を育てる最大の恩恵は「社長が楽できる!」ことです。
・(従業員が育つと)社長にとって事業承継が楽にできる
・会社の利益が増える
・従業員一人ひとりが、働くことに「やりがい」を持つようになり、辞めないで長く働くことになる
・何よりも社長はゆとりの時間を手に入れることができる
優れた社員を育てる『3つのポイント』
1 入社前にやるべきこと
会社の考え方、事業内容、理念・目標、本人のやるべき仕事と期待等をしっかりと何度も話し合って共感してもらう。
2 入社直後にやるべきこと
本人の考えや希望を「見える化」して、会社の仕事に合わせて「10年後のなりたい姿」「今後5年間のなりたい姿に向けての自分計画」を本人と経営陣と一緒に作る。その達成のために何かの資格が役にたつなら取得費用等を援助する
3 その後にやるべきこと
1と2で作られた計画が確実に達成されるようにフォロー体制を作る。
・入社後1年目は3ヶ月ごとに定期面談をする
・入社後2年目から5年目は6ヶ月ごとに定期面談する
・入社後6年目以降は、将来の目標を改めて考えるための面談を定期的に行う
これらのことは、社長も必ず一緒に行うことが肝心です。「教えることは教わること」にもなります。
「働く人を一人にさせない」「会社での本人の存在感を認識させる」ことがポイントです。
人は期待して育てることが大切です。
本内容は、(株)事業パートナーの松本光輝の著書も参考にして紹介しています。
関連記事
-
-
税理士:92.5%、中小企業診断士:0.2% この数字は?
この数字は何でしょうか? 10~20年後に「AI(人口知能:コンピュータ)」によ …
-
-
社長、前月の経営成績をいつ知りましたか? ~経営改善の現場から思うこと~
銀行からの借入金の返済に困った会社の「経営改善」の支援をさせて頂いた際に感じたこ …
-
-
セグメント別の業績分析・管理で利益向上を
各企業で毎年あるいは四半期(3ケ月)、月単位で業績を集計して、経営の状況を把握し …
-
-
返済のいらない補助金(6)創業・第二創業促進補助金
創業・第二創業促進補助金の公募が開始されましたので、その内容を紹介します。 この …
-
-
経営戦略(7)計画立案:目標に向かって
本記事は2015年11月に記載したものを2020年11月に一部を修正しています。 …
-
-
●★ 今、いくらお金がありますか?:資金繰り表の作成 ★●
私が代表を務めている別会社「(株)ビザアシスト」の資金管理として次の3つを使用し …
-
-
経営者(4)「経営者に求められる役割」
(本記事は2015年9月に投稿したものを2020年7月に一部変更して紹介していま …
-
-
早期の経営改善を支援します
政府の「中小企業施策」として、新たな制度が導入されています。 政府の方針は明確で …
-
-
●★経営計画の策定に補助金:経営改善計画★●
★ 自社の経営を専門家の目で見直すことができます 現在の政府の「中 …
-
-
経営者(3)コンプライアンス「今でも迷う15年前の判断」
(本記事は2015年9月に投稿したものを、2020年7月に一部変更しています) …
前後の記事
- 前の記事
- WEBは魔法の杖じゃない。強力な道具です!
- 次の記事
- アベノミクスから「スガノミクス」へ