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民事法務(1)相続・遺言

北九州アシスト法務事務所は、主に、中小企業支援を業務とする行政書士事務所です。

中小企業の経営者の方は、現状の事業の発展に日々奮闘されていることと存じますが、一方では、自分が亡くなった後の事業継承に関して、心配を抱えている方もいらっしゃると思います。

また、認知症など、自分の判断能力が低下することに関する不安をお持ちの方もあるかと思います。

無料の法律相談の場に立ち会わせて頂く機会が多くありますが、その中で多い相談は、「相続・遺言」「成年後見」に関するものです。

今回は、民事法務の中の「相続・遺言」に関して基本的なことを紹介し、次回に「成年後見」に関して紹介させて頂きます。

 

民法の基本

民法は、「被相続人(亡くなられた方)の意思の尊重」と「相続人の公平」の両面の観点で構成されています。

被相続人は、「遺言」によって、亡くなった後の相続について決めることができます。

例えば、「全財産を妻△△に贈与する」との遺言をすることができます。:被相続人の意思の尊重

ただし、相続人の公平のために、遺言で「全財産を妻に」としても、相続人である子供(または親)には、一定分の相続を受ける権利があります(これを「遺留分」という)。:相続人の公平

被相続人の兄弟姉妹にはこの遺留分がないので、「兄弟姉妹が相続人」の場合、「相続財産を全て妻に」と遺言した場合、兄弟姉妹は権利を主張できません。

妻がいなく、兄弟姉妹だけが相続人の場合、第三者に「全財産を遺贈」することも可能になります。

 

相続の基本

法定相続分と遺留分

<法定相続分>

民法では、相続財産が各相続人の間で公平に承継されるように一定の割合を定めていて、これを「法定相続分」といいます。

相続人の順位は被相続人を基準として次のようになっています。

第1順位子供

第2順位直系の尊属 *基本的には親、親が亡くなっている場合はその親(祖父母)

第3順位兄弟姉妹

なお、配偶者は常に各相続人と共に相続人になり、上記の各順位の相続人がいない場合は単独で相続人となります。

各順位の相続人の法定相続分について、「配偶者がいる場合」について示します。

配偶者及び子供が相続人である場合:「配偶者:2分の1」「子供:2分の1」 *子供が複数いる場合は均等割り

*子供が既に亡くなっている場合は、その子供(孫)が相続人になります。

配偶者及び直系尊属が相続人である場合:「配偶者:3分の2」「直系尊属:3分の1」

配偶者及び兄弟姉妹が相続人である場合:「配偶者:4分の3」「兄弟姉妹:4分の1」

配偶者がいない場合は、各相続人が全てを相続します。

第1順位の相続人がいない場合は、権利が第2順位の相続人になります(第3順位は第1、第2順位がいない場合)。

<遺留分>

単独で相続人となった場合

配偶者:2分の1

子供:2分の1

直系尊属:3分の1

兄弟姉妹:なし

配偶者と共同相続人になった場合

配偶者及び子供が相続人である場合:「配偶者:4分の1」「子供:4分の1」

配偶者及び直系尊属が相続人である場合:「配偶者:6分の2」「直系尊属:6分の1」

配偶者及び兄弟姉妹が相続人である場合:「配偶者:2分の1」「兄弟姉妹:なし」

相続の手続き

相続の手続きについて示します。

1.相続財産を調べて確定させる(借金などの負の財産も)

寄与分、特別受益分も考慮します。

寄与分:被相続人の財産の維持または増加につき、特別の寄与をした者で、他の相続人よりも多く受け取れる可能性があります。

・被相続人の事業に関する労務の提供または財産の給付

・被相続人の療養看護

・その他の方法(上記2点に匹敵する寄与)

特別受益分(生前に被相続人から特別に財産の供与を受けた者(婚姻費用、特別な学費など)、既に受けた額は相続分に含まれます。

*生命保険は、受取人の指定によっては相続財産になることもあります、通常は指定された者の権利になります。

2.相続人を確定させる

戸籍を調査して、相続人を確定させます。

不動産の相続登記の場合、戸籍での証明が必要になります。

*隠し子がいる場合や、第1・第2相続人がいない場合は、複雑になる可能性があります。

*相続人がいない場合は、「特別縁故者(例えば内縁の妻)」に、特別縁故者がいない場合は「国庫に帰属」することになります。

3.相続人全員で協議して、相続財産の分配を決める

*協議が整わない場合、調停や裁判になることもありますが、可能な限り話し合いで決めたいものです。

*相続人に未成年者や判断能力がない(不十分)方がいる場合は、「特別代理人の選任(家庭裁判所)」が必要になります。

4.遺産分割協議書を作成

上記の協議結果を文書化し、相続人全員の記名、捺印をします。

5.遺産分割協議書の内容に従って各種の手続きの実施

・土地、建物の所有権の移転の登記

・預貯金、株式の名義人の変更

・借地権、借家権の名義人の変更

・借金などの負の遺産の清算あるいは契約変更

・自動車の名義変更

・その他

生前の対応

自分が亡くなった後、相続人に負担をかけないためには次のようなことを実施しておいた方が良いです。

●生前に自分の保有財産について、「財産目録」を作っておいた方が良いです。

*これが、後で説明する「遺言の作成」のために必要になります

●土地、建物に関して、現在の登記名義人や抵当権の設定の有無などを確認して、必要に応じて手続きを実施。

先祖代々から引き継いでいる場合、登記名義人が自分になっていない可能性もあります。

その場合、相続が発生した場合、手続きが複雑になります。

口約束での「お金の貸し借り」「土地、建物の賃貸」は、契約書の締結を、死亡後に問題になるケースがあります(死人にくちなし)。

 

遺言の基本

遺言は、死亡した者の最終の意思表示に法的な効力を認めることによって、その最終意思を実現・達成させようとするための制度です。

この遺言により、人は死後も自己の財産を自由に処分できます。他の方法として、死因贈与がありますが、これは生前の相手方との契約になります。

遺言の方法

遺言には、「普通方式」と「特別方式」がありますが、「特別方式」は「危険な事態が目の前に迫っている時」のもので、使用する可能性は低いので、ここでは「普通方式」について示します。

なお、15歳以上の意思能力を有する者は、遺言ができます。

1.自筆証書遺言

いつでも誰にでもできる最も簡単な遺言で、本人が自分で、その全文、日付、氏名を書き、印を押せば成立します。

★紛失や変造の危険と方式不備で無効になる恐れがあります

2.公正証書遺言

公正役場等で本人の口述内容を公証人が公正証書に作成します。

★証人2人以上の立会いが必要となり、費用と手間はかかりますが、保管は確実で、極めて強力な証拠力があります。

3.秘密証書遺言

遺言の存在を明確にして、遺言内容を死ぬまで秘密にしたい時に使う方式です。

★本人の署名捺印と2人以上の証人と公証人が必要になります。秘密保持と保管は確実ですが方式不備で無効になる恐れがあります。

安全確実の面では、「公正証書遺言」にしておくことをお勧めします。

遺言は、その遺言者が死亡した時から効力が発生します(遺言を書いた時からではない)。

そのため、生きている間はいつでも自由に遺言内容を撤回したり、変更したりすることができます

遺言が法律的に有効となる内容

遺言書には、「兄弟仲良く」な、遺産の処分以外の訓戒や家族への思いなど、何を書いても自由ですが、その内容が遺言として、法律的に効力があると認められるのは次に示す項目です。

① 一般社団法人の設立

② 認知

③ 未成年後見人・未成年後見監督人の指定

④ 相続人の廃除・廃除の取消

⑤ 相続分の指定・指定の委託

⑥ 特別受益の持戻の免除

⑦ 遺産分割方法の指定・指定の委託

⑧ 遺産分割の禁止

⑨ 共同相続人相互の担保責任の分担

⑩ 遺贈

⑪ 遺言執行者の指定・指定の委任

⑫ 遺贈についての遺留分減殺方法の指定

⑬ 信託法上の信託設定

 

今号では、民事法務の中の「相続・遺言」に関して基礎的なことを紹介させて頂きました。

法律相談会やそれ以外にいろいろな方とお話しさせて頂くと、相続面でお悩みの方が多くいらっしゃいます。

まず、現時点の「権利関係」を明確にして、不動産の登記などの現状を確認することが第一歩です。

自分が亡くなった後に、更に権利関係が複雑になることもありますので、判断能力が十分なうちに整理しておくことが重要です。

北九州アシスト事務所は、主に、中小企業支援を業務とする行政書士事務所ですが、民事法務面も幅広く取り組ませて頂きます。

煩雑な相続の一連の手続き」、「公正証書遺言の作成」、次号で紹介します「成年後見の支援」などを「身近な街の法律家」として、取り組ませて頂きますので、悩みや心配、不明点がありましたら、遠慮なくお問い合わせ願います。

 

 

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