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「ものづくり補助金」が求める“革新性”とは何か?

現在「ものづくり補助金」の公募が引き続き行われています(現在「第2次募集中」:5月20日(水)締切り)。

「ものづくり補助金」では、事業(補助事業)計画の中で「革新性」が求められます

この「革新性とは何か?」について、当社と連携しています「五島俊幸」経営コンサルタントに紹介してもらいます。

こんな、悩みを抱えている社長さんはいませんか?

「今度、古くなったプレス機を新型に買い替えたいんだけど、お金が足りなくてねぇ。

そこで、「ものづくり補助金」を申請したいんだ。

だけど、この補助金には“革新性”がいるって言うし。

うちみたいな中小企業で、“革新性”って言われてもねぇ。

やっぱり、諦めるしかないのかなって。」

そこで、今回は、「ものづくり補助金」の申請をしたい社長さんに“革新性とは何か”についてのお話しです。

 

1.ずばり、“革新性”とは何か

“革新性とは”、

「自社になく、他社でも一般的ではない、新サービス、新商品開発や新生産方式」のことです。

「自社にない」ということはわかりますが、「他社でも一般的ではない」ということはどういうことでしょうか?

まさに、この「他社でも一般的(・・・)ではない」というところがポイントになります。

では、これがどういう意味なのか、色々な視点から考えてみました。

 

2.革新性をわかりにくくしている原因とは

そもそも、どうしてこのように“革新性”について、わかりにくいのでしょうか。

その理由は、公募要領にも“革新性”の定義(レベル・程度)が明確に記載されていないことにもあります。

そこで、はじめに、“革新”という言葉を辞書で調べてみることにしました。

革新(かくしん)とは、“旧来の制度・組織・方法・習慣などを改めて新しくすること”(出典:デジタル大辞泉)とあります。

この意味から、どうしても世の中にない、まったく新しい製品とかサービスを想像して、“革新”に対するレベルがとても高くなります。その結果、日本初や業界初などの製品やサービスを想像してしまいがちです。

本当に、中小企業庁は中小企業に、そんな高いレベルの“革新性”を求めているのでしょうか?

そこで、中小企業庁から公表されている情報などから推測することにしました。

 

3.どうして中小企業庁は“革新性”にこだわるのか?

まずは、中小企業庁は、どうして革新性にこだわるのか、から調べてみます。

その答えが、中小企業庁のホームページに載っている「中小企業庁の任務」のなかにありました。

そこには、「中小企業庁の任務」として、13の項目が挙げられています。

その2番目が、「中小企業の経営方法の改善、技術の向上その他の経営の向上に関すること」とあります。これを簡単に言うと中小企業に、“今のままではいけません。経営を安定させるためには、経営革新をしてください”ということです。つまり、中小企業庁の任務は、中小企業に経営革新をしてもらうことにあります。

この方針は、当然「ものづくり補助金」やその他の補助金にも反映されていますし、補助金以外の政策についても同じです。

 

4.中小企業向け補助金・支援サイト“ミラサポプラス”から

次に、もっとわかりやすいサイトがありました。

それは、中小企業向け補助金・支援サイトの“ミラサポプラス”です。

そこに「補助金虎の巻」というコーナーがあり、中小企業庁の担当者が、補助金申請のポイントについて解説しています。これにより、中小企業庁の考え方がわかります。

以下、ミラサトプラスの補助金虎の巻からの抜粋です

【申請書でアピールすること ➡ これが“革新性”です】

・これまでの事業の中でどのような改善課題を見つけ出したのか、その課題を解決するための技術面やサービス面のアイデアは何か、開発計画における具体的かつ定量的な開発目標は何か。

・市場調査をもとに、どのようなマーケットを対象とするビジネスに乗り出すのか、そこでのライバル企業に対してどうやって市場競争を勝ち抜くのか。

・何を設備投資するのか、どのように加工するかといった話ではなく、どんなことを実現するためにどんな商品(サービス)が必要か、そうしたことを十分に説明した上で、当該事業を実現するために、必要な手段としての設備/人は何か。

・全く新しい製品、サービスを生み出していくことはもちろん、たとえば、他地域にある製品やサービスを、その地域性等を乗り越えて未だ普及していない地域で実現させる、といったものでも十分意味がある。

【革新的サービス(新サービス)について】

・「革新性」かどうかの判断基準は、例えば、新しい設備・機器を導入しても、『当社比』で革新が行われたというようなことではあてはまらず、『地域の先進事例』や、『業種内での先進事例』にあたるかどうかなど、『相対的』な視点から、革新性を示さなければなりません。

・設備や投資の内容よりも、それを行うことにより、どのような新しいビジネスを切り拓けるかが重要です。

これ以外でも、はっきりと“「性能の良い機械を買う」といった内容では、採択につながらないと”言い切っています。

これらの説明でイメージできたでしょうか?

詳しくは、下記のサイトをご覧ください。全文が載っています。ただし、その当時の公募要領に基づいていますので、“革新性”以外の内容は、現時点の公募内容と合わない部分があります。

<掲載サイト>

①採択されやすい申請の4つのポイント https://mirasapo-plus.go.jp/hint/1961/

②そもそも革新的サービスとは? https://mirasapo-plus.go.jp/hint/1965/

 

5.「ものづくり補助金」の審査項目から

次に、審査項目からみてみます。

「ものづくり補助金」の審査項目のうち技術面が、以下のとおりです。

技術面の審査項目の1番目に、

「新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。」とあります。

ところで、かっこ書きの(既存技術の転用や隠れた価値の発掘)とは、どういうことでしょうか?

① “既存技術の転用”とは、どういうことか?

まず、“酒造会社が作る化粧品”の例です。

日本酒と化粧品は、なかなか結び付きませんが、昔から“杜氏の手は白くてきれい”など、お酒と肌にまつわる話がありました。

そこからヒントを得て、酒造りで培ってきた発酵技術を化粧品の開発に活かしました。そして実現したのが“酒造会社が作る化粧品”です。現在では、たくさんの酒造メーカーが化粧品を販売するようになりました。

②“隠れた価値の発掘”とは、どういうことか?

次に、“作業服専門店がカジュアルウェアの販売”に進出した例です。

ワークマンという作業服専門店はご存じだと思います。最近とても話題になっています。ワークマンは作業服専門店で、職人さんなどに作業服を販売していました。

そのワークマンが、新商品の開発や新たな市場獲得を検討していたなかで、店内に、鮮やかなカラーのシャツやパンツ、スタイリッシュなデザインのウエアを置いたところ、バイクやアウトドアの愛好家、ランニングを楽しむ人たちが購入している事例が多くでてきました。

また、飲食店の厨房など床が滑りやすいところでも安全に動けるコックシューズを、その機能性に着目した妊婦や子育て中の女性が使っていました。さらに、妊婦さんらが使っている姿がSNSで話題になっていました。

このことから、自社の商品が持っている強み(高機能、低価格)が、幅広い顧客のニーズに応えられることがわかりました。

そこから、一般客向けの商品を次々に開発し、カジュアルウェア専門の店舗(ワークマンプラス)を全国に展開しています。

 

6.“革新性”をイメージするもう1つのヒント

ここで、自社にとってのどんな革新性があるのか、そのヒントを一つご紹介します。

よく、取引先やお客さんから製品や商品、サービスについて、こんな相談や依頼がありませんか。

・加工するのが難しい製品

・手間がかかるサービス

このような、“難しいこと”、“面倒なこと”にこそ、革新性のカギがあります。

このように、お客さんが依頼して困難な案件は、他の取引先にも相談していることがあります。そこで、簡単に面倒なのでやりたくないと断るのでなく、“どうやったらできる”のか考えてみることです。

それが、革新性を発見することにつながります。

 

7.まとめ

“革新性”について、お話ししてきましたが、いかがでしたか。

繰り返しになりますが、“革新性”とは、

「自社になく、他社でも一般的ではない、新サービス、新商品開発や新生産方式」です。

よく誤解されますが「ものづくり補助金」は設備投資のための補助金ではありません。経営革新を実現する上で、何らかの開発行為を行うことに対して交付される補助金です。なので、単なる、機械設備の導入を前提にした計画では、絶対に採択されません。

それを理解したうえで、申請書に書くポイントは、申請書の審査員が、その事業計画の内容を読み取ることができるように、1つのストーリーにすることです。

そのストーリーとは、顧客が抱えている課題(つまりニーズ)を、自社の強みと機器設備の導入により解決し、それが新サービスや新製品の開発、生産プロセスの改善とその事業化につなげる一連の流れです。

その結果、競合他社にも真似されないノウハウを持ち、経営が安定し、利益を出し続ける会社にすることができます。

「ものづくり補助金」とは、それを実現するための補助金です。

この内容が、ものづくり補助金の申請を検討されている社長さんの参考になりましたら幸いです。

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