外国人の雇い入れ(就労ビザ)
外国人を雇い入れたい場合はご連絡下さい
現在日本には、200万人以上の外国人が何らかの「在留資格」を取得して滞在しています。
福岡県では、「約6万人(2015年)」が滞在しています。
外国人の在留資格(ビザ)には、大きく分けて「就労ビザ」と「身分ビザ」があります。
「就労ビザ」とは、外国人の方が、日本の会社等で働くために必要な法務省の入国管理局が認める「在留資格」です。
「身分ビザ」は、「国際結婚での外国人の配偶者」「永住者」などがあります。
今回は、就労のビザについて全体像を紹介します。
入国管理に関する法律の改正が多くありますので、その点も今後順次紹介させて頂きます。
就労ビザ
北九州やその周辺の中小企業、特に「ものづくり企業」をご訪問する機会が多くなっていますが、多くの企業で人手不足が深刻になっています。
各企業とも「効率化」「機械化・自動化」等の自助努力をしてますが、厳しい状況です。
製造現場での作業者(オペレーター)も不足していますが、技術者も不足しているのが現実です。
北九州近辺は、大企業の製造工場が多くあるため、給与や待遇の面で、中小企業が技術者を確保することは更に難しくなっています。
少子高齢化によってますます「生産年齢層」が減る中で、人がいなくて事業を止める企業が増えてくると思われます。
「ものづくり企業」が主体の人材会社の社長と話す機会がありましたが、企業からの需要は多いが、それに見合う「人材供給」ができないとのことです。
また、せっかく採用して、派遣しても直ぐに辞めてしまうことも問題になっています。
そのため、企業によっては、製造現場では、「技能実習生制度」の主旨(外国の技能レベルの向上)を守りつつ、自社の製造を維持するために外国人を受け入れているところも多くなっています。
現在は、「20万人以上の技能実習生」が日本で実習して(働いて)います。
福岡県では「約5,500人(2015年)」が実習しています。
また、企業によっては、「技術者」として採用しているところもありますが、技術者としての採用は、許可要件を満たすのが厳しい状況です。
次に主な就労ビザについてまとめたものを示します。
この中で最も多いのは、「技術・人文知識・国際業務ビザ」で、文系では「通訳業務」「貿易業務」、理系では「IT関連の技術者」が多く働いています。
各資格の概要を説明します。詳細は次号以降で順次紹介します。
高度専門職ビザ
学歴や収入等のポイントによって認められます。
これが認められると、長い在留期間が得られたり、永住許可を短期に取得することができます。
この在留資格が定められたのが最近ですので、数が少ないですがこれから増えていくと思われます。
他の資格、例えば「技術・人文知識・国際業務ビザ」「経営管理ビザ」の中でも要件を満たす方がいらっしゃる可能性があります。
この場合、切り替えをお勧めしますので、ご連絡下さい。
技術・人文知識・国際業務ビザ
就労ビザの中で最も多く、全国で「約15万人」、福岡で「約3800人(いずれも2015年)」が在留しています。
外国の大学か日本の大学を卒業した方で、勤務する会社の業務と大学の専攻が関連する場合に認められます。
高卒でも、10年以上の実務経験があれば認められる可能性はあります(通訳等は3年でも可能)。
企業内転勤ビザ
外国に子会社や関連会社がある場合、日本に転勤として迎え入れることができます。
ただし、学歴要件はありませんが、業務としては先の「技術・人文知識・国際業務ビザ」の範囲でホワイトカラーしか認められません。
特定活動ビザ
昨年、新たに、「特定外国従業員(製造業外国従業員受入事業)」が設けられました。
日本の企業が外国に工場を持っている場合、要件を満たすと現場の技能職の外国人を受け入れることができます。
ただし、現場の指導者(例えば、班長、ラインリーダー)として養成することが目的で、単純労働として受け入れることはできません。
経営管理ビザ
外国人が日本で会社を設立した場合(現地の会社の日本進出も含む)、あるいは日本企業の役員に就任する場合です。
最近、外国人が会社を設立して、日本で事業を開始するケースは増えています。
技能ビザ
主に外国料理の専門店が、現地からコックを雇い入れる場合に認められます。
ラーメン店が、中華料理として、中国人を雇い入れることはできません。
あくまでも、招聘する外国人が専門的な技能を持っていることが必要です。
また、店の規模(客席数)もある程度大きくなくては認められません。
技能実習ビザ
目的は、外国の産業の発展のために、日本の企業で実習を行い、母国に戻って活躍を期待する制度です。
昨年、法律が改定され、従来の2年から3年に延長することも可能になります(施行は2017年)。
ただし、一部の実習生の外国人、受入の日本企業によっては、必ずしも目的に合ったことがなされてなく、問題が発生しています。
以上、外国人の就労ビザに関しての全体像を紹介しました。
次回以降は、各就労ビザについて何回かに分けて詳細を紹介します。
今後、日本の少子高齢化、それに伴う労働力の不足により、外国人の企業での活躍が多くなってくると思われます。
政府としては、優秀で日本の国益に貢献する外国人の受け入れは積極的に進め、悪影響を与える可能性のある外国人の入国は拒否する方針です。
当事務所では、当然ながら、不法入国や偽装結婚等に関しては、厳格に対応していきます。
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