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(M&Aの現場から)高く売る「買手の購入価格」

現在、(株)バトンズのM&Aのマッチングサイトを利用して、売手や買手のアドバイザーをしています。

「売手」のアドバイザーとしては、売手から希望価格をお聞きして、なるべくこれに近づけるように進めますが、この額での売却が難しい場合、対象会社の業種や財務状況から最低の「売却額」を設定しておきます。

(株)バトンズの場合、業界No.1ということもあり、案件によっては多くの問い合わせがあります。その中には、自社の発展のために買収が有効であるため、こちらの設定額よりも高い額を提示して頂くところもありますが、多くは「なるべく安く購入」を前提にした提示が多いです。

今回は、こちらの設定額よりも高く売却された件を紹介します。

 

M&Aの目的

M&Aは、自社の事業の拡張を目的とする場合が多いと思います。その際の考え方を示します。これまでの経験の中では、「同業の企業の買収」が最も多いです。ただし、その企業の立ち位置によっては他の選択肢が有効な場合があります。

同業の企業の買収を検討する際にも自社の状況によって、次のように「何を得るか?」と目的が異なります。

 

想定していた額よりも高く売れる場合もある

今回関与した企業は「製造業」に分類されます。この業界は人手不足が深刻で、これが事業の発展に足かせになっています。また、一人親方的な零細企業が多く、中には後継者がいなくて廃業を考えているところも多いのが現状です。そのため、今後、M&Aが活発になる業界の一つとして注目しています。

今回検討を行った企業は、通常の企業価値評価「純資産+のれん」、のれんは「直近の利益」等による価値、で算出すると売却額は、よくて「1,000万円」で、評価によっては「査定:ゼロ」になり得るところでした。

こちらの売手としては、なるべく高く売りたいので、上記に示した中で「従業員の質の高さ」を示して売却額の上積みを示しました。

最終的には、2社に絞り込まれましたが、1社はこちらの最低額に近い額を提示、もう一社はこちらが示した「従業員の質の高さ」を考慮して希望額に近い額(最低産出額の倍以上)を提示して頂きました。

当然、売手の社長にとっては、「従業員の価値」を高く評価して頂いた企業への売却を選択しました。

「従業員の質」の面は、買手にとっては大きな「リスク」です。上記に示した「市場・顧客」「設備(建物・機械)」は、かなりの部分は予測通りになりますが、「従業員」は辞める可能性があるため、リスクが高い選択になります。外れたもう一社は、この「リスク」の面を考慮した提示額になっていました。

 

中小企業(に限らないかもしれませんが・・・)のM&Aの場合は、教科書的に算出した額を参考にはしますが、これにとらわれずに売手企業の強みをよく把握して交渉することも必要かと考えています。

(株)バトンズのサイトに掲載されると、こちらが想定しているのと異なる企業や個人の方から問い合わせが入ります。「売手」にとっては、ほとんどの方は人生で1回きりになります。そのため、売って良かったと思って頂ける支援を心掛けたいと思っています。

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