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「両利きの経営」「未来事業費」~事業再構築を考える~

最近「両利きの経営」という書籍が目に入り、早速、購入して、読んでいます。また、以前に紹介した「社長の教祖」と称された経営コンサルタントの「一倉定」先生の書籍を読んで経営の勉強をしています。両方の内容を考えると時代や国は違っても基本的な考えは同じであると感じています。更に、現在話題になっている「DX:デジタルトランスフォーメーション」にも通ずるものと思っています。

また、実務で、幾つかの企業の「事業再生・経営改善」「事業再構築補助金・ものづくり補助金」の支援に取り組んでいる中で、企業が生き延びて発展していくのを考え、実行支援を行っていくのが当社に求められている使命であると考えています。

 

両利きの経営:「深化」と「探索」

事業経営とは「変転する市場と顧客の要求を見きわめて、これに合わせて自社をつくりかえる」こと(一倉定)。

「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く(「両利きの経営」の表紙より)。

ここでいう「二兎を追う」ということは、「深化」と「探索」を同時に行うことです。

深化:自社の持つ一定分野の事業を継続して、深掘りして、磨き込んでいくこと

*既存事業について、強みを更に磨き、製品の質の向上、販路を広げて、売上・利益をあげていくこと

探索:既存の事業以外の事業を探索し、その製品化、事業化を実現すること

これを図で示すと次のようになります。

各領域の説明は別記事をご覧下さい。

「深化」とは?

「深化」は「(1)従来商品等を従来市場で量を増やす」および「(3)新市場・新顧客に従来商品等を適用する」に該当します。なお、この時は、従来商品等は、コストダウン(生産性向上、不良率の低減、原材料費低減など)、デザインの変更などを行い、既存顧客の売上増加(シェアの拡大)、新規顧客の獲得を行います。

「探索」とは?

直近の10年の間は、ますます多くの企業や産業が破壊的変化に遭遇するようになっています。50年前、アメリカの「S&P500社」の平均寿命は「50年」でしたが、現在は「12年」になっています。多くの企業が市場から去って(倒産・廃業等)、新たな企業が台頭していることを意味しています。破壊的変化により、各企業の経営者には、これまで以上に素早くこの脅威に対応しなければならないという重圧がのしかかっています。

50年前であれば、いや20年前には、経営者には対応できる時間があり、変化への対応が少々遅れたとしても挽回はできました。現在は、変化の流れを逃したり、破壊的イノベーションに対応し損なった場合は、直ぐに倒産に追い込まれていきます。昨今では、中小企業だけでなく幾つかの大手の企業が倒産や吸収合併、会社分割に追い込まれています。

そのため、従来の事業に代わり、新たな事業を興していくことが必要になります。

それを後押しする施策として、本年(2021年)4月から「事業再構築補助金」の制度が施行されています。これは、コロナ禍で売上が減少した企業が新たな事業に取り組むことに補助金を出す制度です。

 

当社の事業再構築補助金の状況

当社では、第2次(7月2日締切り)、第3次(9月21日締切り)の募集で支援を行い、これまでに4件の採択(100%)を得て、採択を受けた企業は新規事業に取り組んでいます。また、第4次募集(12月21日締切り)で2件の申請を行い、第5次(2022年3月締切り予定)の1件の計画策定に着手しています(もう1件は着手前)。

この計7件を上の図に当てはめてみます。

この中で事業化が難しいのは、新規の「商品・技術・サービス」です。②の案件は、従来の顧客にも適用できる可能性があるので(2)の領域にしていますが、ほとんどの顧客は新規になると思われ(4)の領域に近いものです。表の右側にいくほど実用化は難しくなります。⑤は従来技術をより高度化(その面では新規と言えないこともない)したもので、これらの7件の中では最もリスクは少ないと判断しています。

(4)の領域(商品、市場ともに新規)は、事業化への道は厳しいものです。この領域に取り組む企業の経営者は「誰(顧客)」「何(商品)」を明確にして、スピード感を持って取り組む必要があります。特に資源(ヒト・モノ・カネ)が乏しい中小企業の場合は、新規事業の失敗は倒産の扉を開けることになります。倒産の覚悟を決めて新規事業に取り組まない限り、既存事業にしがみついていたら確実にいずれ倒産に向かうことになります。

 

未来事業費の考え

一倉定先生の書籍では、何度も「未来事業費」という言葉がでてきます。企業の成長のために現業の利益の一部を「新規事業等のために確保」しておくことを意味します。これを図で表すと次のようになります。

現業だけで考えると上図の未来事業費は現業利益になります。実際は「未来事業費」は、新製品・商品の開発、生産性向上のための設備投資、販売や購買の組織強化などの経費に使われ、利益としては残りません。

50年以上前に企業が生き延びるために「新規事業の重要性」を強調していたことに驚きを隠せません。

 

<一倉定の書籍より(まとめとして)>

これからの会社は、現事業のみに心をうばわれて、将来の備えを怠ったら、それは破綻につながる。

未来事業費によって蓄積された、潜在的実力こそ、ほんとうの意味の内部蓄積なのである。

財務的蓄積のみをもって、事足れりとしていられる時代ではない。それどころか、未来事業に遅れをとって、ピンチに追い込まれたときには、財務的な蓄積など、アッという間にくいつぶしてしまう。

★56年前の言葉ですが、現在に最も適した言葉です。

 

 

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