社員に「やりがい」を、個々の目標設定の勧め
あなたは、10年後、どうしていますか?
私の10年後は、「今はまだ一人の事務所ですが、10年後は50人以上のコンサルタント・士業の会社の中心にいて、後輩に後を継いでもらうための自らの事業承継を推進しているところ」です。
10年後は68歳なので、人生の仕上げをしたいと願っています。
会社の経営を改善するには、社長の考え・行動が最も重要ですが、社員の力がなければ推進することはできません。
社員が十分に力を発揮するには、目指すもの(目標)を明確にすることが必要で、目標に向かって考え・行動することによって「やりがい」を得ることができます。
目標を明確にするには、まずは「10年後の姿を描く」ことをお勧めします。
社員一人一人が能力を最大限に発揮する、それが個人の幸せ、会社の発展につながります。
会社の先の姿を描いて
経営者の皆様、まずは、10年後の会社、自分の姿を描いて下さい。
10年後は、夢、希望の状態で、具体化はしなくても良いです。
では、この10年後を実現するには、5年後はどうなっていなければならないでしょうか。
10年後は、夢でも良いですが、5年後はある程度具体的な目標値が欲しいところです。
売上、利益、組織のイメージ、それを実現するためのビジネスモデル・・・・。
それでは、5年後の目標を達成するには、3年後はどうなっていなければならないでしょうか。
3年後は、きちんと方針・戦略に基づいた数値的な計画が必要になります。
さらに、年間計画は綿密に検討して策定し、きちんと管理をしながら進める必要があります。
「対話」の重要性
会社全体の計画に基づいて、組織の計画を策定し、さらに各個人の計画の策定を行います。
個人の計画を策定する際には、上司、少人数の企業の場合は社長自らが各個人と十分に話し合う必要があります。
皆さんの会社や家庭では、「対話」ができていますか?
「対話」とは、一方的な意見の言い合いではなく、相手のことをよく理解した上で、自分の考えを述べあうことです。
そのためには、まずは、「相手の話をよく聞くこと」です。
従業員の話をこれまで聞いたことがないという経営者の方もいらっしゃるかと思いますが、従業員は伝えたいことを多く持っています。
それが言えない、言えない雰囲気の中で仕事を続けているうちに、嫌になって辞めてしまうのです。
個々の特性を把握し、個性(強味)を伸ばす
人は、自分の得意なこと、好きなこと、やりたいことに関しては集中力を発揮して前向きに取り組みます。
働く人をその人の特性を無視して会社や組織のルールに当てはめてしまうと、その人の能力を十分に発揮することはできません。
これは会社の損失でもあり、個人の損失でもあります。
この各自の個性を知るためには「対話」を重ね、その中で感じ取っていくことが必要です。
・人との話し合い、外交が苦手な人と得意な人。または、表に出たがる人と出るのが嫌な人。
・細かい仕事が好きな人と嫌いな人。
・パソコンに向かって仕事をすることが好きな人と嫌いな人。
・考えが細かい人と大雑把な人。
・オッチョコチョイな性格と思慮遠謀な人。
その他、人間には沢山の違いがあります。
この違いを理解して本人と良く話し合って仕事の内容をきめるべきです。
個々の目標の立て方
入社前の段階で「対話」
中小企業・小規模事業者の場合、大手企業と比べ、人を採用することが難しくなっていますが、頭数を揃えるために誰でも良いから採用するということにはなりません。
先に述べたように、各人はいろいろな考え・行動特性(得て・不得手)を持っています。
これに合わない人を採用したら、会社の損失でもあり、当人にとっても大きな損失です。
これを防ぐには、1回の面接だけではなく、最低、3回は本人と会って、本人のやりたいこと・夢をよく聞くこと、会社の実状(良いところ・悪いところ、給料面)などを理解してもらうことが必要と思います。
経営者の方はなかなか時間がとれないと思いますが、小さな会社ほど、人が財産になりますのでぜひ時間を設けて下さい。
入社後の対応
入社後は、先に示しました会社の計画と同じように、「10年後の姿」を描くように「対話」して下さい。
描けない場合は、「この人のようになりたい」と有名人や近くの人(会社や知り合い)を、「目指す姿」にしても良いです。
その「10年後の姿」を実現するために、「5年後」「3年後」そして、「1年後」の目標を設定し、それを実現するためには、この1年、何をしなければならないかを決めて計画を策定して下さい。
最初だけでなく、できれば毎月、少なくても3ヶ月に1回は、2年間継続して「対話」を進めて下さい。
人は「気にかけられているという気持ち」が「やりがい」を生み出します。
2年が経過すると会社やその仕事内容にも慣れ、独り立ちして益々能力を発揮できるようになり、会社に定着する「人財」になると思います。
これは、新入社員だけでなく、長く勤めている社員も同じです。
なんらかのきっかけを作って、「対話」の機会を作り、目標を設定して「やりがい」を持って仕事ができるように進めて下さい。
関連記事
-
-
優れた社員を育てるには「期待する」
企業の経営資源として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」と言われています。 中小企業 …
-
-
(経営改善の現場から)商品を絞り込む
現在実施している「経営改善」案件の中で、多くの商品(サービス)を扱っている企業が …
-
-
売上を上げ続ける戦略(4)商品・製品は”売れた”ではなく”売れる!!”のである
これまで紹介しています弊社が提供している『売上向上支援パッケージ』は、販売の方法 …
-
-
利益を出し続ける(3)資金がショートしないようにする仕組み
連携している「(株)事業パートナー」の投稿記事から、「利益を出し続ける仕組み」を …
-
-
経営戦略(7)計画立案:目標に向かって
本記事は2015年11月に記載したものを2020年11月に一部を修正しています。 …
-
-
経営戦略(1)経営戦略とは?
(本記事は、2015年10月に書いたものを2020年10月に一部修正を加えていま …
-
-
経営計画の策定(3)銀行を知ろう~各銀行の特色と対応~
企業の運営には「お金(資金)」が必要です。 金融機関からの借入がなく全て自分のお …
-
-
セグメント別の業績分析・管理で利益向上を
各企業で毎年あるいは四半期(3ケ月)、月単位で業績を集計して、経営の状況を把握し …
-
-
●★経営計画の策定に補助金:経営改善計画★●
★ 自社の経営を専門家の目で見直すことができます 現在の政府の「中 …
-
-
日本の生産性が低いのは「中小企業が多い」ことが原因?
「プレジデント誌」で短期集中連載として、小西美術工藝社・社長の「デービッド・アト …
前後の記事
- 前の記事
- 人手不足を乗り切る:人材を人財に!!
- 次の記事
- 産学連携を使って自社の発展を加速!プロの力を活用