税理士:92.5%、中小企業診断士:0.2% この数字は?
この数字は何でしょうか?
10~20年後に「AI(人口知能:コンピュータ)」によって自動化できる業務の割合を示したものです。
*野村総研と英オックスフォード大との共同研究によるもの
税理士業務の「92.5%」は「AI」が実施するということです。
一方、中小企業診断士の業務は、0.2%しか減らないということです。
ちなみに他の士業の数値は?
・行政書士:93.1%
・税理士:92.5%
・弁理士:92.1%
・公認会計士:85.9%
・社会保険労務士:79.7%
・司法書士:78.0%
・弁護士:1.4%
・中小企業診断士:0.2%
弁護士と中小企業診断士を除いては、他の士業はほぼ職業として消滅することになります。
各士業は何をする人なの?
士業の種類が多く、ほとんどの方が各士業が何をしているかわからないと思いますので簡単に紹介します。
・行政書士:官公署に提出する書類の作成、例えば、建設業の許可申請、飲食店の開業申請、最近は外国人の在留資格(ビザ)取得の申請が増えています
・税理士:各種の伝票の整理、毎月の経営状況の集計(試算表)、年間のまとめ(決算書)、税務署への提出書類の作成
・弁理士:特許などの出願・登録手続き、細かい特許出願の明細書を書きます
・公認会計士:企業の財務書類の監査・証明*主に大企業が向け
・社会保険労務士:労務関係(賃金、社内の各種規程)、年金などの社会保険に関する書類の作成、各種の人に関する助成金の申請もしています
・司法書士:土地や会社の登記や供託に関する手続き
・弁護士:訴訟代理などの法律業務
・中小企業診断士:中小企業の経営コンサルティング
各士業しかできない業務もありますが、逆に多くの士業ができるものもあります。
例えば、相続関係の業務(相続、遺言、信託、後見)は、行政書士、税理士、司法書士、弁護士などがそれぞれの得意分野を軸として行っています。
「ものづくり補助金」などの支援は、行政書士、税理士、中小企業診断士、技術士などが行っています。
AIに侵食されやすいのは?
数字関係を主に行っています「税理士、公認会計士」の業務は大きく変わると思います。
伝票も人が入力するのではなく、スキャナーでバーコードを読み取って、そのデータを自動的に集計し、また、銀行を介しての取引も銀行とのオンラインで自動的に集計します。
日本は手続きが面倒くさい、簡素化
日本は、国際的に見て「ビジネスがしにくい国」に位置付けられていて、その原因の一つとして規制が多い、手続きが煩雑なことが挙げられます。
規制緩和の推進によって、この規制や手続きは大幅に緩和されていくと思われます。
また定型的な申請については、「AI」が整備されたデータベースから自動的にデータを持ってきて、「可否判断」まで行っていくと思われます。
これにより、国や自治体の機関へ各種の手続きを行っている「行政書士」「税理士」「司法書士」「社会保険労務士」などの業務は大幅に減少すると思われます。
決して衰えないコンサルニーズ
弁護士、中小企業診断士がAIによって業務が減らないとなっているのは、会社や人を支援する「コンサル」業務を主体に行っているからだと思います。
20年後は経営者が実施している多くのことは、「AI」が実施していくと思われます。
例えば、今後の経営予測は、莫大なデータベース(ビッグデータ)の解析により導かれて、経営会議の重要な資料になるでしょう。
見方を変えると、現在経営者が行っている「自分がやらなくても良い業務」を「AI」が代替して実施して、経営者は本来の業務に専念できるとも言えます。
経営者の本来の業務とは、「将来の会社の姿」を描いて、その実現に向けた戦略を立案し、推進していくことです。
今よりも多くの時間を使えることになり、「経営コンサルタント」と連携してより高い次元の戦略を構築していくことができます。
「経営ドクター九州」プロジェクトの真髄
別でご案内のように、「中小企業様の経営支援」の具体化として、「経営ドクター九州」プロジェクトを推進しています。
このプロジェクトは、「税理士事務所」に「経営コンサルタント」を派遣して、税理士事務所の顧問先の企業の経営改善(課題解決)を行うものです。
「経営コンサルタント」は、(株)事業パートナー九州(2018年1月設立予定)が主催する「200時間研修」を受講して能力的に問題がないと判定された者がなります。
税理士と経営コンサルタントが協力して、「AI」がまだまだできない、お客様にとってより価値が高い「戦略立案」「仕組み作り」を提供することができます。
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