2021年から3年間の経営戦略
本年(2021年・令和3年)はどんな年か
本年は、『十干(じっかん)』と『十二支(じゅうにし)』の組合わせでは、「辛と丑(かのととうし)」に当たります。この組合わせは、60年に一度になります。
「辛」(かのと)の意味すること
『十干』は、生命のサイクルを「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」の10段階で示します。
「辛」は季節でいえば秋の終わり頃、植物なら枯れた状態にあたります。
「思い悩みながら、ゆっくりと衰退していくこと、痛みを伴う幕引き」を意味するとのことです。
「丑」(うし)の意味すること
『十二支』は、生命のサイクルを「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」の12段階で表します。
「丑」は、発芽直前の曲がった芽が種子の硬い殻を破ろうとしている状態。種の中に今にもはち切れそうなくらい生命エネルギーが充満している状況(命の息吹)を示します。
「辛」と「丑」の意味すること
「緩やかな衰退、痛みを伴う幕引き」と「新たな命の息吹」が、互いを生かし合い強め合うことを意味します。
⇒ 辛いことが多いだけ、大きな希望が芽生える年になることを指し示しています。
・「辛」で思い悩みながら衰退をしつつ、「丑」で新しい息吹がある
・マイナスが大きければ大きいほどプラスも大きくなる
・大きな希望を手に入れるカギは堅実で強い精神力にある
現在の状況と照らし合わすと
少子高齢化・人口減少による経済成長の鈍化「穏やかな衰退」、これに加え「新型コロナウィルス感染拡大による「痛みを伴う幕引き」、「緊急事態宣言の発令」などで、経済や個人の活動に制限がかかっています。上記の「辛(かのと)」の意味と同じ状況になっています。
一方、新しい生活様式、デジタル化の推進、働き方改革など「新たな息吹」が芽生えつつある状況でもあります。これは、上記の「丑(うし)」の意味と同じ状況になっています。
本年は、コロナ禍などの影響で、先が読みづらい混沌とした状況が続く中で、個人、企業の中には「新たな息吹(新商品・新サービス、事業の変革)」に取り組むところが出てくることが期待されています。
「リベンジ景気」に向けて2021年から2023年の経営戦略
まずは資金繰り
コロナ禍は2023年末までは終息しない、言い換えれば2023年末には終息すると言われています。その理由は、コロナの有効な治療薬が完成(十分ではないが)すると思われるからです。ワクチンと治療薬はその効用が異なります。人は病気になっても治る薬があれば怖くなくなります。
2023年末まで資金が繋げて会社がもてば、2024年からのリベンジ景気(消費)の恩恵に与れます。
そのためには、売上よりも利益よりも「資金繰り」ということになります。そうは言っても利益が赤字では資金不足の原因となってしまいます。
一般的に利益を上げる基本的な考え方は2つです。
(1)売上を上げて利益を増やす
(2)支出を減らして利益を増やす
(1)の売上を上げるのは2023年末までは市場が縮小しているので簡単ではありません。また(2)も効果は認められますが、目標とする利益を確保するのは限界があり簡単ではありません。
正解は、生産性を上げて利益を創出するという方法です。まずは、経営者をはじめ全社員が一丸となって知恵を出して、一歩踏み出すことです。
例えば、「仕事の流れ」で、朝に出勤してから退社するまでの自分の動きを図解(可視化)してみます。その中で「時間を短縮できないか?」「順番を変えられないか?」「これとこれを一緒にできないか?」「簡素化できないか?」等をしっかりと考えれば、一時間分の作業を減らせるはずです。
人は「できますか?」と言われれば「難しいです」と答えますが、「どうしてもやらなければならない!」となれば知恵が出てくるものです。
こうして全社員が一丸となって知恵を出せば何とかできるものです。先ずは難しいと言わないで「やってみる」から始めてみませんか。ご褒美は社員のボーナスと会社の利益です。
3年計画でリベンジ景気に備える
先に示した2014年の「リベンジ景気(消費)」に向けて、商品・製品やサービスの開発を行う必要があります。景気が良くなっても、これまでの商品・製品やサービスが売れるとは限りません。
2021年:調査・分析から方向性を決める
市場(取引先・消費者)が求めているものが何かを徹底的に調査・分析を行います。
この結果として、「誰に」「何を」売るのかを決定します。
2022年:どうやって実現するかを検討
上記で決めた「誰に・何を」をどうやって実現するかを検討します。
「どこから調達するのか?」「どうやって製造するのか?」「どうやって売るのか?」などを具体化します。この際は、自社単独で考えるのではなく、どこと連携するかも検討します。自社の能力(資源:ヒト・モノ・カネ、技術力、商品開発力など)には限りがあります。
2023年:商品・サービスの完成
2年間検討を行った「誰に」「何を」「どのように」を実施できる体制を完成させ、2024年のリベンジ景気に対応できるように備えます。
2024年をターゲットにして、3年計画で「商品(製品)サービスの開発」「連携先を含めた推進体制の整備」「人材育成」などを計画的に進めることが会社の将来にとって重要になります。
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