絶対に倒産しない会社の仕組み作りなら、経営コンサルタントの株式会社事業パートナー九州へ

収益を上げなければ『働き方改革』はできない(1)

コロナ禍の影響で、「良い面」でも「悪い面」でも大きく業績が変わった企業が多いと思います。

また、ここにきて、ウクライナ情勢、気候変動、円安などによる「各種の工業資源の値上り」「食料品・生活用品の値上り」が企業の経営や家計に影響を与えています。

更に、「働き方改革」の推進による時短(残業時間の抑制)、根本策が見えない人手不足、経営者の高齢化に伴う事業継続問題など・・・、企業の経営状況、特に中小企業、小規模企業にとっては、益々厳しい状況になってきています。

今回は、中小企業の「働き方改革」をどうするかについて紹介します。

結論は、「働き方改革」を実現するには、「収益を上げる」しか方法はありません。収益を上げられなければ、従業員は会社を去り(他の会社に転職)、倒産か、廃業しか道はありません。

「働き方改革」を実現するためには?をまとめたものを示します。

青のラインは「どうするか?」を示したものです。逆の赤のラインは「働き方改革を実現するステップ」を示しています。

今回は、上記の前半部分、「収益を上げる」「生産性を上げる」「企業の体質を変える」について紹介します。

 

収益を上げる必要性

現在、大企業でなく、中小企業・小規模企業にも「働き方改革」が国の政策として求められています。

働く側の労働環境を良くしてあげる、また働く環境が良くないと、今いる従業員が辞める、募集しても人材が集まらなくなり、会社の存続に影響がでます。

大企業や収益力のある企業にとっては、「働き方改革」というのは、制度の整備ということですが、収益の余力がない企業の場合は、まず、収益力を上げて「働き方改革」ができる原資を産み出さなければなりません

現状のまま、時短を推進したら、売上・利益の減少を招き、人を増やすと人件費がアップして、それが収益を減少させ、最悪の場合は倒産につながります。

 

収益を上げるには「生産性向上」が必要

まず、日本の生産性が世界的にみてどうなのかを、2020年の「公益財団法人・日本生産性本部」の公表資料から示します。

<日本の一人当りの労働生産性>

日本の一人当りの労働生産性は「78,655ドル(809万円)」、OECD加盟の38ヶ国中23位です。

トップのアイルランドに対して37.9%、3位のアメリカの55.6%です。主要先進7ヶ国の中で最も低い水準で、もはや先進国と名乗れない状況になっています。

労働生産性の国際比較はこちらを参照して下さい

<コロナ前後の労働生産性>

これだけ生産性が低いと向上する余地があるとも思われますが、コロナ禍の回復状況をみると日本の生産性の向上が他の国よりも更に大きく低下していることが分かります。

これは、2020年4~6月のデータなので、その後のコロナ禍の各国の経済施策を考えると更に差が開いていると思われます。

日本の生産性が低い要因は、企業の組織風土(年功序列の評価)、教育問題、IT導入の遅れなど様々なものがあります。

「PRESIDENT誌2022年6月17日号」にラグビーの前日本代表ヘッドコーチを務めた「エディー・ジョーンズ氏」が日本の生産性が上がらない要因として次の点を挙げています。

(1)ビジョンの策定、評価システムができていない

(2)長時間労働 *ムダな作業 *集中力低下

(3)安全志向 *失敗を許さない風土

 

生産性を上げるには企業の体質を変える

日本の企業はこれまで「お客様第一主義」で、低コスト化、商品のラインナップの拡充など、お客様の要望に何でも対応しようとしてきました。これにより、収益性の悪化、ムダ(ロス)の拡大に歯止めがかからなくなってきているのが現実ではないでしょうか。

また、建設業や製造業では、多層の下請け構造(ピラミッド)が形成され、発注先の言うことを聞き入れて、精一杯な改善により要求に応えてきました。残念ながら今回のコロナ禍で真っ先に仕事を減らされむなしさを感じている下請の経営者も多いと思います。

生産性を阻害している要因は、シンプルに次の2つではないでしょうか。

(1)分散している *多くのことに対応

(2)安すぎる  *適正な代金を取っていない

総合電器メーカーの中には、製品数が多いがゆえに、技術者や営業要員が分散し、専門メーカーに負けているところもあります。飲食店でもメニュー数が多く、これにより調理の効率が落ちたり、食材ロスが増えてムダが生じています。

また、思い切って、絞って、値段を上げてみることを考えてみて下さい。

以前の投稿記事:中小企業は価格を上げて生き延びる!

商品アイテムを減らす、製造品目を減らすなどの「絞り作戦」と「価格アップ作戦」によって、利益を上げて、冒頭の「働き方改革」に取り組んでみて下さい。

 

次回は、後半の「事業ドメインを再定義する」「意味がある事業計画を策定する」「経営者の考え方を変える」について、紹介します。

 

 

  関連記事

経営計画の策定(4)自社の銀行での格付けを知ろう

銀行は、お金(資金)の貸出先企業ごとに格付けを行って、それぞれの対応を決めていま …

経営戦略(5)戦略立案:どうやって勝つのか(1)

*本記事は2015年10月に投稿した内容を2020年11月に一部変更しています …

経営戦略(3)現状の正しい認識②「5フォース分析」

*本記事は2015年10月記載の内容を2020年10月に一部修正を加えています …

no image
平成31年度「経産省の中小企業向け施策」と当社の支援メニュー

先に平成31年度の経済産業省の「概算要求」のポイントを紹介しましたが、今回は中小 …

借金(債務)の整理:法的整理 or 私的整理

これまで、銀行に借金の返済を一時的に止めてもらったり、減額してもらったりする「リ …

経営戦略(4 )自社を固める:事業ドメインの設定

*本記事は、2015年10月に記載の内容を2020年10月に一部修正を加えていま …

no image
国連サミットで制定された「持続可能な開発目標」  ~企業経営の参考にしてみませんか~

昨年の4月から「九州工業大学」の産学連携のコーディネータを務めさせて頂いてます。 …

no image
中小・零細企業にとって厳しい経営状況が続く

事業復活支援金の事前確認から思うこと 現在、「事業復活支援金」の受付・給付が進め …

小規模事業者持続化補助金の公募開始*締め切り平成29年1月27日

平成28年度第2次補正予算の成立に伴い、小規模事業者持続化補助金の公募が開始され …

no image
人手不足、業種で格差 ~銀行員が建設業に転職できる??~

人材不足の業種間の格差が一段と広がっています。 最も深刻なのが「宿泊・飲食業(外 …

  前後の記事

お問い合せはコチラからどうぞ

MENU
PAGE TOP