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コロナ禍以降「ゾンビ企業」が増殖

昨年(2021年)10月に「ゾンビ企業として生き延びる:リスケの継続」というタイトルで、金融機関からの借入金の元金を返済できなくて、利息だけを支払うリスケジュール(リスケ)を継続している企業について示しました。

前回のゾンビ企業についての記事はこちら

リスケジュールについてはこちら

 

ゾンビ企業の状況

2022年7月に(株)帝国データバンクが、2020年度の「ゾンビ企業は16.5万社(推定)*対象企業の11.3%」で、コロナ関係の融資の返済等の影響で、今後も増加するとの報告がありました。

帝国データバンクの公表資料はこちら

公表されている資料に記載のゾンビ企業数の推移を示します。

*(株)帝国ダータバンクの公表資料から

 

ゾンビ企業の定義

帝国データバンクは、次に示す国際決済銀行(BIS)のが使っている「ゾンビ企業の定義」を使用しています。

3年以上に渡って「インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)が1未満」で、かつ、設立10年以上経過の企業

ICR=(営業利益+受取利息+受取配当金)/(支払利息・割引料)

借入金の利払いの負担を事業利益で賄えないことを意味します。借入金の元金の返済ができないだけでなく、利息も支払うことができない状態です。

*ゾンビ企業の定義は、視点によって異なります。前回の当社の記事では「借入金の元本を返済せずに利息だけを支払うことを継続している企業」と定義しました。その他に、「生産性の低い企業」「雇用を確保できない企業」などと定める場合があります。要は、正常な財務状況ではない企業を示します。

 

業種別、企業規模別では

上記の定義で判定すると、業種別、規模別では、次のようになっています。

 

業種別では、「建設業:34.3%」「製造業:20.0%」で、2業種で全体の半数を超えています。

また、従業員別では、20人以下の企業が全体の約70%を占めています。

(推察ですが)建設業や製造業の小規模事業者は、下請け的な仕事が多く、そのために利益を上げづらい企業体質になっていて、発注元(顧客)からは便利屋的に扱われ、「生かさず殺さず」的なポジションにいるところが多いと思われます。

 

今後の予測

今後、次の点で、「ゾンビ企業の増加」「廃業・倒産の増加」が見込まれます。

1)コロナ融資の返済が重荷に

2020年4月から、コロナ禍による倒産を防止するために、政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫(商工中金))及び民間金融機関(保証協会付き融資)が、政府の方針の下、通常では扱ってもらえない財務状況の企業にも、返済の開始を遅らして融資を行いました。この施策で、運転資金がつながり、倒産を免れた企業も多いと思われます。

現在、返済猶予の期間が終わり、返済が開始されている企業が増えてきています。

2022年3月8日に、「返済に困っている企業に対して、金融機関がよく状況を把握して対応」との主旨が金融庁から各金融機関に通達されています。返済に困っている企業に対しては、返済猶予期間の延長など、柔軟に対応することを意味しています。

もし、借入金の返済に苦慮することがありましたら、金融機関に相談してみて下さい。申し入れが不調になった場合は、当社にお声掛け下さい。

3月8日の金融庁の通達はこちら

当社への相談はこちら

2)残業規制(働き方改革)

建設業や運送業では、「2024年問題」が今後深刻になります。2024年4月から、建設業や運送業においても、罰則付きの時間外労働規制が適用されます。

そのため、各技術者や作業員の労働時間を短縮する必要があります。

その短縮を実現するためには、生産性の向上が必要であり、また、残業に生活費を依存していた従業員に対しては給料をアップさせる必要があります。

現状のままでは人件費の増加が経営を圧迫し、ゾンビ企業の維持も難しくなり、倒産に向かうことになります。

3)原材料費・エネルギー費及び人件費の増加

ウクライナ・ロシア情勢などから工業用だけでなく、食品や肥料などの高騰が続いています。そのため、大企業を中心に製品・商品の価格が上昇しています。

この中で、中小企業では、お客に対して値上げができなくて経営が苦しくなっているところもあります。

また、直近では、「最低賃金」の大幅なアップが決定され、ますます、経営が苦しくなってきています。

 

ゾンビ企業からの脱出

ゾンビ企業の状態がいつまでも続くわけではありません。経営状態が悪化して利息を支払うだけの利益が出なくなったり、社長が健康を損ねて事業継続ができなくなったら倒産の道に進みます。

もし、社長が死亡して後継者がない場合も倒産になり、この場合、法定相続人が相続放棄を行えば借金が消える可能性もあります。

ゾンビ企業が多いことが生産性が悪い原因になり、日本経済発展の足かせになっているという見方もあります。政府としては、ゾンビ企業に早めに撤退してもらって、その企業のお客さんが他の利益を上げている優秀な企業に移り、優秀な企業が更に業績を伸ばして、経済を発展させて税金を多く払ってもらうことを期待しています。

ゾンビ企業の脱出あるいはゾンビ企業にならないためには、「続ける対応」と「止める対応」があります。

1)(続ける)経営改善・事業再生の断行

既存事業の現状を様々な視点で分析を行い、その中で自社の強みを再認識して、その強みを更に強化して、新規の商品・サービスを事業化して売上・利益を上げる方策を検討します。その中では、既存事業の中で将来に渡って伸びる商品・サービスや市場を見きわめて、自社が生き延びる方策を探ります。

企業の状況によっては、金融機関への返済が厳しいなど資金繰り面に問題があるところもあるかと思います。その場合は、返済を停止する、返済額を変更するなどのリスケジュールの実施などの事業再生を行う必要が生じます。

『経営改善』と『事業再生』の違いはこちら

2)(止める)前向きな廃業検討

廃業は悪いことではありません。赤字なのにぐずぐずと継続して更に経営状況を悪化させることが悪いことです。

現状を見直して、先の見通しが立たない場合は、「倒産」に至らない前に、早めに廃業を決断して、実行した方が損失が少なく、再起できる可能性も高くなります。

「廃業」を前提に進めて、その一連の検討の中で、「M&A」による売却の可能性が見えてくる場合もあります。

当社の廃業支援についてはこちら

★ゾンビ企業の脱出は、誰に相談するのか?

●税理士ですか?

税理士は税務申告や節税のプロですが、経営に関して知識や経験を持った方は少ないです。

●弁護士ですか?

弁護士も経営に関する知識や経験が少ないため、経験が多い「倒産や破産」の方向に導く可能性が多いです。

●商工会議所などの無料相談を受けますか?

この場合の相談員は責任がないため、一般的なアドバイスしか期待できません。

●では誰に?

ネットや書籍などの情報で幾つかの機関を選定して、何人かの候補者と話をして、経営者(社長)自身の判断で決めるのが最も良いと思います。

『事業再生』は支援者(パートナー)なしで行うのは非常に危険です。

当社では、初回の経営相談は無料で行っています。

お問い合せを頂き、直近3期の決算書、最新の試算表などや事業内容がわかる資料を事前にご提供いただければ、ご相談はよりスムーズにいきます。

 

 

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