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「物価高倒産」急増、歯止めをかけられるか!

前号で、『コロナ禍以降「ゾンビ企業」が増殖』という記事を投稿しました。今回も中小企業の厳しい状況について紹介します。

前回の「ゾンビ企業」の記事はこちら

 

物価高倒産の増加の現状

2022年8月8日に、帝国データバンクが、『「物価高倒産」、急増』と言うタイトルのレポートを公表しています。そこで示されている2018年からの月毎の「物価高倒産」の推移を示します。

*帝国データバンクの公表資料から転記

原油等の燃料、原材料などの「仕入れ価格上昇」、取引先からの値下げ圧力などで価格転嫁できなかった「値上げ難」などにより、収益が維持できずに倒産した「物価高倒産」が急増していることが報告されています。

過去5年間の年間の最高倒産数は「2021年の138件」でしたが、本年(2022年)は、7月までで116件、8月には過去最高を更新する状況になっています。

価格転嫁が難しい、中小・零細企業を中心に、「物価高倒産」がさらに増えるおそれがあると警告しています。

業種別の状況

2022年の「物価高倒産」の業種別の件数を示します。

*帝国データバンクの公表資料から転記

燃料費の高止まりが続く「運輸業」が最も多く、ついで”ウッドショック”と呼ばれる木材や資材高を受けた「建設業」が続き、この2業種で半分を示しています。

この2業種は、「物価高」だけでなく、「2024年問題(労働時間の短縮:働き方改革)」と言われる人件費の上昇、それに伴う人手不足により、更に倒産が増えることが予測されます。

 

政府の対策

緊急の対応

政府は7月に物価高対策として、2022年度の新型コロナウィルス感染症・物価対応の予備費から「2571億円」の拠出を決めました。

経済産業省は、1月から実施している石油元売りへの補助金を通じて燃料価格の上昇を抑える措置に加え、電力料金の負荷軽減を図るため「節電プログラム促進事業」を開始しています。

また、8月15日には政府の「物価・賃金・生活総合対策本部」が開かれ、首相から「輸入小麦の売り渡し価格の据置」や「10月以降の燃料価格抑制策」などの追加対策を関係閣僚に指示しています。

これらの施策が、中小企業の助けになるかは、今後注視していく必要があります。

価格交渉促進月間等

価格転嫁対策では、経済産業省・中小企業庁は、毎年3月と9月の年2回設定している「価格交渉促進月間」を通じ受発注間の価格交渉を促し、コスト上昇分の適切な価格転嫁を働きかけています。

促進月間終了後に、下請け中小15万社を対象にした価格交渉・転嫁に関するフォローアップ調査を実施し、必要に応じて価格転嫁を受入れないあるいは不十分な発注側に行政指導を行うことになっています。

しかし、前回の3月の調査では、下請け中小企業のうち、コスト上昇分を「全て価格転嫁できた」企業の割合は「13.8%」しかなく、「1~3割」程度が最多の「22.9%」で、さらに「全く価格転嫁ができていない

企業は「22.6%」もあるとの結果になっています。政府が対策を強化しても価格転嫁ができていないのが実態のようです。

価格交渉ハンドブック

先日、連携している(株)事業パートナーの定例会で、「価格交渉ハンドブック」という話題がでてきました。

ネットで検索した結果、コロナ禍、物価高の問題が顕著になっていない2019年の改訂版が最新のようですが、内容的には現在の状況でも十分に使える内容が記載されていますので、ぜひ、活用して発注先との価格交渉に活用して下さい。

価格交渉ハンドブックはこちら

パートナーシップ宣言

政府は、下請企業が本来得るべき利益が得られる環境整備の一つとして、「パートナーシップ構築宣言」制度を推進しています。

サプライチェーン全体の付加価値向上に向けた下請け企業との連携策や下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の順守について発注側の経営者名で宣言してもらい、対外公表する制度です。

「ものづくり補助金」での加点ポイントにもなっています。

パートナーシップ構築宣言はこちらに

 

生き延びるために

 

当面の価格交渉

当面は、原材料などの仕入れコストが上がった分は、適正に販売価格に転嫁することを検討して下さい。最近は、社会全体が物価上昇になっていますので、購入側も受入れる雰囲気はできていると思います。

この際に、材料費を落とすために、食材のグレードを落し、品質(味、食感など)を悪くすることは絶対に避けるべきです。

 

継続・発展のための施策

中小企業が生き延びるためには、「高付加価値(高品質)」「高価格」の商品、サービスを提供する必要があります。

現在、食料品販売、生花販売、衣料品販売などの会社の経営改善の相談を受けていますが、販売数の低下だけでなく、利益率が低いビジネスモデルになっています。

現状把握をしっかりと行い、市場・顧客ニーズをくみ取り、より利益率が高くなるような「商品開発」「販売促進」の戦略が必要になります。

 

 

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