2020年ものづくり補助金の加点「事業継続力強化計画」
3月10日に「ものづくり補助金」一次募集の公募要領が公表されました。
もうすでに、ご覧になっていることと思いますが、申請書を書くことだけでなく、審査の加点項目にも着手しておくことも大事になります。
そこで、今年度の申請にあたって、必ず取っておきたい加点項目について、当社と連携しています「五島俊幸」経営コンサルタントに紹介してもらいます。
ものづくり補助金の加点を得るのに有効なものは「事業継続力強化計画の認定」です。では、その理由からお話しします。
1.「事業継続力強化計画」の認定取得を勧める理由とは?
3つあります。
その①:認定を取るのがそんなに難しくない。
その②:申請から承認までの期間が短い。
その③:認定を取っていないことが審査で不利になる。
それでは、項目ごとに、ご説明します。
その①:認定を取るのがそんなに難しくない。
申請書自体はA4で7ページ程度です。書く内容もそんなに難しくありません。さらに、中小企業庁がホームページに載せている「事業継続力強化計画策定の手引き」に、計画書を書くうえでの解説が載っています。その中には、記載例もあります。この「手引き」にも“記載例を参考にして書いていい”とありますので、是非活用してください。
※「事業継続力強化計画策定の手引き」のホームページアドレス
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chushokigyo/data/jigyo_keizokuryoku_shinsei5.pdf
その②:申請から承認までの期間が短い。
先ほどの「手引き」には、申請書に不備がなければ、提出から認定までの標準処理期間は45日となっています。
同じ加点項目にあります「経営革新計画」では、おおよそ2ヶ月とのことですが、これはあくまでもトラブルなく進んだ場合で、書き直しなどがあると早くても3ヶ月かかるとみていたほうがいいです。それに比べると「事業継続力強化計画」は、はるかに期間が短いので申請書の作成予定も立てやすくなります。
その③:認定を取っていないことが審査で不利になる。
これは、その①にも関係することです。認定が取りやすいということは、多くの申請者がこの認定を取りにきます。その結果、それを取っていないということだけで、審査上で不利になります。
なお、この認定が受けられるのは中小企業だけでなく、個人事業主も対象になります。
以上が、「事業継続力強化計画」の認定取得をお勧めする理由でした。
でも、これだけでは、“「事業継続力強化計画」そのものについて、よくわからない”という声が聞こえてきそうですので、その概要についてざっくりとお話しします。
2.そもそも「事業継続力強化計画」とは何か?
先ほどご紹介した「手引き」には、「自然災害等による事業活動への影響を軽減することを目指し、事業活動の継続に向けた取組を計画するもの」とあります。
つまり、中小企業向けの「簡単な防災・減災対策計画」といえます。「防災・減災対策」というとBCP(事業継続計画)を思い浮かべる方が多いでしょうが、その簡易版と思ってください。
3.認定を受けられる企業はどこか?
防災・減災に取り組む中小企業・小規模事業者になります。
具体的には、以下のとおりです。
①個人事業主(開業届が提出されていること)
②会社(有限会社を含む会社法上の会社および士業法人)
③企業組合、協業組合、事業協同組合など
(詳細は上記の「手引き」参照)
4.認定を得ることで受けられるメリットは何か?
①税制優遇として、認定計画に従って取得した一定の設備等について、取得価額の20%の特別償却
②金融支援として、日本政策金融公庫の低利融資、信用保証の別枠など
③予算支援として、一部の補助金(ものづくる補助金等)において審査の加点
④経済産業省が公認したロゴマークの使用
5.計画に書く内容は何か?
①目的の明確化:何のためにこの計画を策定するのか
②自然災害リスクの認識と被害想定:自社がどのような自然災害に見舞われるか考える
③災害発生直後の初動対応の検討:人命の安全確保、緊急時体制の構築、被害状況の確認など
④ヒト・モノ・カネ・情報への対応:これらの経営資源を災害から守る対策
⑤平時の推進体制:緊急時における適切な対応を可能にする取組み
6.準備から取得までの流れは、どうなっているのか?
最初の事前確認というのは、税制優遇措置や低利融資等を受ける場合に、関係機関(日本政策金融公庫や顧問税理士など)に、適用対象者の要件や手続等を確認することです。
次に、手引きを参考に計画書を作成します。
次に完成した①認定申請書(計画書を含む)、②チェックリスト、③データ(①②)を保存したCD-R、④認定書返送用の返信用封筒などを同封して、最寄りの経済産業局に送付します。
提出後、申請書に不備がなければ、45日で認定書が返送されてきます。
以上が、「事業継続力強化計画の認定取得」の概要でした。
災害時の対策は、目前の課題でもありません。どうしても、先延ばしにしがちになりますが、昨今の自然災害が多発していることを考えると、是非この機会に検討されてみてはいかがでしょうか。
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