事務所の書架から(10):論語と算盤(渋沢栄一)
2020年3月24日に「日本経済新聞」で「渋沢栄一の生誕180年」の特集記事が3ページにわたって掲載されていました。「論語と算盤(現代語訳)」は渋沢栄一が書かれたものを作家の「守屋淳」がわかりやすく書き直したものです。この本は、私が所属している「北九州中小企業経営者協会」の月例会で「守屋淳」先生のご講演を聴いた際に購入したものです。
現代語訳 論語と算盤
渋沢栄一著 守屋淳:現代語訳 ちくま新書 2010年2月10日発行
渋沢の理念を示す言葉(「論語と算盤」から要約・抜粋)*日経新聞から転記
富を成す根源は仁義道徳、正しい道理の富でなければ永続できない
人生では善人が悪人に負けたと見えることもあるが、長期では善悪の差が画然とする
正しい人生の道を歩み、その結果手にした地位でなければ、完全な成功とはいえない
現実に立脚しない道徳は人々から活力を奪い、最後には国を亡ぼす
金持ちになりたい欲望は時に暴走するが、金は卑しいといった極端な思想では活力を失う
参考になった点
「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家「渋沢栄一」は、明治から大正にかけ、銀行、保険、製紙など約500社の会社の設立、運営に携わり、日本の産業基盤を築いた方です。
直近では、「新型コロナウィルスの拡散」で世界の人々の生活が混乱し、経済的にも大きな危機が発生しています。この危機の克服の過程により、世界・社会の仕組みが大きく変わることが予想されます。
また、個々人の考え方・価値観も大きく変わらざるを得なく、従来のままでは生き延びれないと考えています。
この中で、渋沢栄一の「道徳経済合一」の理念がヒントになると思います。個人(企業)の利益が追求が社会の利益につながる。私益と公益をともに追求し、結果として、皆が豊かになるという考え方です。
現在、「新型コロナウィルスの拡散」により、日本だけでなく世界経済の動揺が続き、個人(企業)も社会も、いよいよ先が見えない中で、渋沢栄一の理念・考え方を認識して、今後の展開の再構築を検討する機会ではないかと思っています。
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