人材不足が深刻、外国人材の制度の見直し
日本社会の少子高齢化により、生産年齢人口の減少が進み、社会全体で人材不足・人手不足が深刻になってきています。
この対策として、
(1)DXなどのデジタル技術活用による生産性向上
(2)女性の積極的活用
(3)高齢者の活用(定年制延長・廃止)
などが進められています。
女性と高齢者の活用は、限界に来ていると思われ、政府は「外国人材の活用」に力を入れています。
直近、外国人材に関する制度の見直しに関して幾つかの動きがありますので、紹介します。
(1)特定技能2号の対象分野の追加
本件は、2023年6月9日に閣議決定されました。
これまで「特定技能2号」は、建設分野と造船・舶用工業分野(溶接区分のみ)のみが対象になっていましたが、介護分野を除く全ての分野に、熟練した技能を要する「特定技能2号」が設定されることになりました。
これにより、在留期間の更新が可能になり、家族(配偶者、子供)の呼び寄せもできるようになります。そのため、永住権を取得する方が増えることが予測されます。
<特定技能2号が認められる業種>
・建設業 *従来から設定
・造船・舶用分野 *全区分が設定
・ビルクリーニング
・素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
なお、介護は、現行の専門的・技術的分野の在留資格「介護」があることから、特定技能2号の対象分野になっていません。
(2)外国人材の「訪問介護」の検討に着手
現在、外国人の技能実習や特定技能の制度で、介護施設内での従事は可能となっていますが、自宅を訪問して、入浴や食事の介助などを行う「訪問サービス」は対象外になっています。
しかし、人手不足に悩む介護現場から見直しを求める声があり、厚生労働省で見直しを行うことになりました。
(3)専門学校卒業の留学生の就職先拡大へ
法務省は、今秋にも専門学校に通う外国人留学生の就職先を大幅に広げる検討を進めているとのこと。
これまで、毎年、約3,000人の専門学校の卒業生が就職できなくて帰国しているのを防ぐのが狙いです。
これまで、就労できる職種は、専門学校の専攻分野に限定していましたが、関連が薄い分野でも可能とするとのことです。
詳細は不明なので、どの程度まで広げられるのかを注視していきます。
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