育成就労制度Q&Aが更新されました - 北九州アシスト法務事務所

育成就労制度Q&Aが更新されました

2027年4月の制度開始に向け、中小企業が確認しておきたい5つのポイント

2026年10月15日、出入国在留管理庁は「育成就労制度Q&A」を更新しました。

育成就労制度は、2027年4月1日から始まる新しい外国人材の受入れ制度です。

現在の技能実習制度を発展的に解消し、人材育成と人材確保を目的として創設される制度であり、外国人材を受け入れている企業、これから外国人の採用を検討している中小企業にとって、非常に重要な制度変更となります。

今回更新されたQ&Aでは、制度の目的や仕組みだけでなく、受入企業の要件、外国人の転籍、日本語能力、特定技能制度への移行など、実務に関係する事項が幅広く説明されています。

今回は、このQ&Aの目的、主な内容、活用方法を紹介するとともに、特に中小企業が確認しておきたい5つのポイントを解説します。

育成就労制度Q&Aの目的

育成就労制度は、従来の技能実習制度と異なり、日本の人手不足分野において、外国人材を育成し、確保することを明確な目的としています。

原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の水準に達する人材を育成し、その後、特定技能制度へ移行することで、外国人材が日本で継続的に活躍できる仕組みを目指しています。

しかし、制度の変更に伴い、企業側には多くの疑問が生じています。

例えば、

・現在受け入れている技能実習生はどうなるのか
・育成就労制度では、どのような業務を担当させられるのか
・受入れ人数に制限はあるのか
・外国人が途中で転職することはできるのか
・日本語教育は企業が実施する必要があるのか
・特定技能へ移行するには何が必要なのか

今回のQ&Aは、こうした疑問に対し、制度を所管する出入国在留管理庁が公式に回答するものです。

企業が制度を正しく理解し、2027年4月の施行に向けて準備を進めるための重要な資料といえます。

Q&Aにはどのような内容が記載されているのか

Q&Aは、制度の目的から具体的な受入手続まで、テーマ別に整理されています。

主な内容は次のとおりです。

(1) 制度の基本事項

育成就労制度の目的、技能実習制度との違い、特定技能制度との関係、対象となる産業分野など。

(2) 受入れの仕組み

育成就労計画の認定、受入企業の要件、監理支援機関の役割、受入れ人数枠など。

(3) 技能実習制度からの移行

現在の技能実習生の取扱い、新制度への移行時期、経過措置など。

(4) 外国人本人の保護

本人の希望による転籍、労働条件、送出機関に関する取扱いなど。

(5) 人材育成と特定技能への移行

日本語能力、技能試験、教育訓練、特定技能1号への移行条件など。

これらの内容は、外国人材を雇用する企業が新制度に対応するための基本的な判断材料となります。

Q&Aの活用方法

このQ&Aは、単に制度を勉強するための資料ではありません。

企業が外国人材の採用計画や人材育成計画を作成する際の確認資料として活用できます。

例えば、現在技能実習生を受け入れている企業では、既存の技能実習生がいつまで従来制度で就労できるのか、次の外国人採用を育成就労と特定技能のどちらで行うのかを検討する必要があります。

また、これから外国人を採用する企業では、自社の業種が育成就労の対象となっているか、受入れ人数や教育体制などの条件を満たしているかを確認する必要があります。

ただし、Q&Aは制度全体を分かりやすく説明する資料です。

実際の受入れに当たっては、法令、基本方針、分野別運用方針、運用要領なども併せて確認することが重要です。

中小企業が特に確認しておきたい5つのポイント

(1) 現在の技能実習生はどうなるのか

【Q46:技能実習制度からの移行】

現在、技能実習生を受け入れている企業にとって、最も気になる問題の一つです。

Q&Aでは、2027年4月1日時点で既に技能実習を行っている外国人は、原則として認定された計画に基づき、引き続き技能実習を継続できることが示されています。

また、2027年3月31日までに技能実習計画の認定申請を行い、同年6月30日までに技能実習を開始する場合にも、一定の経過措置が設けられています。

したがって、2027年4月になった時点で、現在の技能実習生が一斉に育成就労へ変更されるわけではありません。

企業としては、現在の技能実習生の実習期間、2号・3号への移行予定、新規採用の時期を整理し、従来制度と新制度が並行する期間への対応を検討する必要があります。

(2) 自社の業種で受け入れられるのか

【Q11・Q19~Q21:対象分野と受入れ見込数】

育成就労制度は、すべての業種で利用できるわけではありません。

政府が指定する「育成就労産業分野」と、その中の対象業務区分に該当する必要があります。

また、政府は育成就労と特定技能1号について、分野ごとの受入れ見込数を設定しています。

受入れ見込数を超えることが見込まれる場合には、新規受入れに必要な手続が一時的に停止される可能性もあります。

企業としては、自社の業種が対象となっているかだけでなく、実際に外国人に担当させる業務が認められているかを確認することが重要です。

さらに、受入れ人数枠には企業の規模や条件などが関係するため、採用計画を立てる前に確認しておく必要があります。

(3) 日本語教育と人材育成はどうなるのか

【Q12~Q14・Q62:育成目標と日本語能力】

育成就労制度では、外国人を単に現場作業に従事させるだけではなく、計画的に技能を育成することが求められます。

原則3年間で、特定技能1号に必要な技能水準と日本語能力を身に付けることが目標です。

日本語能力については、基本的に3年間で日本語教育参照枠A2.2相当の試験合格を目指します。

また、就労開始から1年以内にも、A1相当の日本語能力について試験を受けることが求められます。

技能面では、主たる技能の習得に必要な必須業務に、全就労時間の3分の1以上従事することなどが定められています。

企業には、仕事を教えるだけでなく、日本語学習の機会や指導体制を整えることが求められます。

特に中小企業では、現場の指導担当者を誰にするか、日本語教育をどのように進めるかを早い段階から検討しておく必要があります。

(4) 外国人本人の希望による転籍が認められる

【転籍に関するQ&A】

今回の制度変更で、企業にとって大きな影響があるのが「転籍」です。

技能実習制度では、原則として本人の希望だけで実習先を変更することは認められていませんでした。

育成就労制度では、一定の条件を満たした場合、外国人本人の希望による転籍が認められます。

ただし、自由に転職できるわけではなく、同一業務区分であること、一定期間の就労、日本語能力や技能水準などの要件があります。

企業側から見ると、採用した外国人が途中で他社へ移る可能性があるということです。

一方、外国人にとって働きやすい職場を整備する企業には、長期的な定着が期待できます。

今後は、賃金や労働条件だけでなく、教育体制、職場環境、外国人とのコミュニケーションなどが、外国人材の定着を左右する重要な要素となります。

(5) 育成就労から特定技能への移行

【Q9・Q10・Q12・Q75:特定技能制度との関係】

育成就労制度の大きな特徴は、特定技能制度との連続性です。

育成就労は原則3年間で特定技能1号の水準まで人材を育成する制度です。

その後、必要な技能試験や日本語能力試験などの要件を満たせば、特定技能1号への移行が可能となります。

特定技能1号では、原則として通算5年間の在留が可能です。

さらに、対象分野で特定技能2号の要件を満たせば、在留期間の上限なく就労する道も開かれています。

ただし、育成就労を3年間修了すれば、自動的に特定技能1号へ移行できるわけではありません。

企業としては、外国人を3年間育成した後、特定技能として引き続き雇用することまで視野に入れた人材計画を立てることが重要です。

育成就労制度は中小企業の人材戦略を変える

育成就労制度は、単に技能実習制度の名称が変わるものではありません。

従来の技能実習制度では、技能移転による国際貢献が制度目的とされていました。

これに対し、育成就労制度は、日本の人手不足分野における人材育成と人材確保を明確な目的としています。

今後、外国人材を活用する企業には、採用、教育、評価、定着、特定技能への移行までを一体として考えることが求められます。

特に人手不足が深刻な中小企業では、外国人材を短期的な労働力としてではなく、将来の中核人材として育成する視点が重要になります。

そのためには、制度の内容を理解したうえで、自社に適した外国人材の受入れ方法を検討することが必要です。

育成就労・特定技能のご相談は当事務所へ

行政書士 北九州アシスト法務事務所では、外国人の在留資格申請をはじめ、外国人材の受入れに関する相談に対応しています。

また、当事務所と連携する「アシスト国際事業協同組合」では、育成就労制度及び特定技能制度に関する企業支援に対応することが可能です。

外国人材の受入れを検討している企業、現在の技能実習制度から新制度への移行を考えている企業、特定技能外国人の採用を検討している企業などは、まず当事務所へご相談ください。

企業の業種、業務内容、採用予定人数、現在の外国人雇用状況などを確認し、適切な受入れ方法を検討いたします。

外国人材の採用は、制度を正しく理解し、計画的に準備することが重要です。

2027年4月の育成就労制度開始に向けて、早めの準備をおすすめします。

参考資料

出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(2026年10月15日更新)

https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html

出入国在留管理庁「育成就労制度」

https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html

外国人の在留資格(ビザ)の取得に関することはなんでもお問い合わせください!

093-873-9120

9:00〜20:00 休日も可能

お問い合わせ・資料請求

メールは24時間受け付けております。

PAGE TOP