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経営戦略(7)計画立案:目標に向かって

本記事は2015年11月に記載したものを2020年11月に一部を修正しています。

「経営戦略の策定ステップ」を改めて示します。

1.現状を正しく認識する(自社、市場や顧客):紹介済み

2.自社の「事業ドメイン事業領域」を設定する:紹介済み

3.上記に基づいて「事業戦略」を立案する:紹介済み

4.事業戦略に基づいて計画を作成する:今号で紹介

前号までに「現状の正しい認識」に基づく、「事業戦略の立案」について紹介しました。

今号では、立案した「事業戦略」を実行に移すための「実施計画」について紹介します。

なお、戦略を立案する上での基本は、「会社が継続するため」であり、そのため、「財務的」に成り立たなければ意味がありません

財務・会計面については別途紹介したいと考えていますが、「戦略と財務の両立」は必須ですので、この号で紹介する「実施計画」の中には、財務面(売上・利益)を考慮したものにする必要があります。

 

中期計画の策定・目標の設定

現状分析(正しい認識)」、それに基づく「事業ドメインの設定」「事業戦略の立案」を行った後は、その事業戦略を実現するために、「計画」を立てることが必要です。

計画の最初は、中期計画を立案することです。

中期計画は、「5年先のあるべき姿」を設定して、それを実現するための具体策を、時間軸に当てはめていくことです。

書籍によっては、「10年後のあるべき姿」と紹介されているものもありますが、変化が激しい現在の状況では、「5年後が妥当」と思います。

最初のステップは、主要項目について、「5年後の目標」を設定することです。

この主要項目は、幾つか設定されると思いますが、「数値的な目標」を設定することが重要です。

「会社は成長して存続すること」が第一の使命で、そのためには、5年先を見て、いかに利益を積み上げて、自己資金を増やし、借入金に依存する体質から脱出できるかが最重要な項目です。

売上を伸ばすことも大事な要素になるかもしれませんが、むやみに売上至上主義に走ると、逆に借入金が増えるなどの問題が生じる可能性があります。

5年間の各年度の(借入金の返済も考慮した)利益を設定して、それに必要な売上を算出し、その売上が妥当なのかを検証。

無理な売上であれば、仕入や原材料の購入費の低減、直接部門(製造や販売)の効率化、間接部門費の削減、不要な資産の売却などの手段を検討する必要があります。

この中で、「戦略立案」で紹介しました、「自社の事業ドメイン」の中で「強みをいかに効率的に発揮できるか」が重要になります。

「効率化」の中に、「選択と集中」の考え方があります。

5年先の数値目標は、現状から「背伸びした目標(夢・ビジョン)」の方が望ましいと思います。

ただし、単なる夢ではなく、経営者がそれを実現する「シナリオ」を提示することが必要です。

到底無理な目標を立てたにもかかわらず、経営者の手腕で、短期間の間に「飛躍的な成長」を遂げた会社もあります。

その「シナリオ」を示すことにより、「各従業員が納得しやる気が生じ」、実現の可能性が高くなります。

「中期目標」を策定する意味として、「長期にわたる実施項目を明確にする」こともあります。

「新たな技術を獲得する」「他社を吸収する(M&A)」などは、調査から入る必要があり、年間の計画では対応できず、長期的な視野が必要になります。

 

年間計画の策定・目標の設定

「中期計画」を策定したら、次のステップは、年間の計画を策定することです。

「年間計画」での目標は、「必達目標:確実に達成できる内容」をベースにすべきと思います。

無理な目標を設定しても、各組織、個人が逆にやる気をなくしてしまう可能性があります。

最近、「無理な必達目標」を経営者が設定し強要したことが原因で、法や倫理に触れること(粉飾決算など)を実施した会社が問題になっています。

「必達目標」として、実現可能な目標を設定し、加えて「努力目標」を設定し、更なる組織、個人のやる気を引き出す手法もあります。

その際も、経営者が「シナリオ」を提示し、組織、従業員に納得してもらう必要があります。

年間計画は、先の中期計画とリンクして、5年後の姿(目標)を達成するために、この1年間で達成すべきことを明確にして、それを達成するためにどうするかを決めることです。

当然、先に示した「現状分析(認識)」「事業ドメイン」「戦略立案」に基づいて計画されます。

 

機能(部門)、個人毎の計画策定

全社の「中期計画・目標」「年間計画・目標」を設定したら、その内容に基づいて、各機能(部門)ごと、そして個人ごとの計画作成を行います。

この際の作成に当たっては、上位部門あるいは上司と十分にコミュニケーションを取ることが必要です。

上位の計画、目標を理解しないで、各部門や個人が計画策定、目標設定を行うことは意味がありません。

目標管理制度」あるいはこれに準じた運用を行っている会社は多くあると思います。

この制度自体はすばらしいものと思いますが、運用によっては逆に弊害になることもあります。

組織あるいは自分が達成できるレベルにしか設定しなくて、それ以上のことにチャレンジしないことも想定されます。

先に示した全体の年間計画・目標と同じように、「努力目標」を設定することが有効と思います。

 

計画の実施(PDCA)

これまで示した各計画は、実施されなければ、「単なる紙切れ」にしか過ぎません。

私もこれまでの会社勤務で、期(年度)の変わり目に「各計画の策定・目標の設定」を行いました。

当然、必ずしも「計画・目標」がその通りに達成できたことばかりではなく、未達成のことの方が多かったと反省しています。

その原因としては、「計画(P)は立てた」「実行(D)はした」、その後が問題で、「チェック:検証(C)」と「アクション:修正(A)」ができていなかったことです。

計画を実施する中で、自分(自社)だけの問題ではなく、環境(市場、顧客)が変化するのが当然で、それに対応して、検証と修正が必要になります。

一度設定した計画を変えることには抵抗がありますが、「計画通り実施する」ことが意味のないものになることもあります。

ただし、「設定した目標」は、意味があるものであれば、それは変えないで、「その目標を達成するための手段」を変えることが必要と思います。

「設定した目標」は、「中期目標」「年間目標」に関係付けられていますので、それを変更することはよほどのことがない限り変更することはできないものです。

以上、「経営戦略」を実施するための「計画策定・目標設定」について紹介しました。

計画に設定する項目は、各会社によって様々だと思いますので、ここでは考え方を中心に紹介しました。

いずれにしても最初に示しましたように、「現状分析(正しい状況を理解する)」を行うことがスタートで、その会社の強みを発揮して、競合先と差別化できることが重要です。

また、計画策定、目標設定を行ったら、それを実現する執着心が要求されます。

中小企業の場合、計画・目標の未達成が存続に影響を与えることが十分考えられます。

「経営戦略」の策定の際に、ご支援が必要な場合、ご相談頂ければご協力させて頂きますのでお問い合わせをお願いします。

 

 

 

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