6月は「外国人雇用啓発月間」
今年の標語
「知って、守って、みんなで活躍
~外国人雇用はルールを守って適正に~」
設定の時期と背景
「外国人雇用啓発月間」は、厚生労働省が毎年6月に実施している取り組みで、外国人労働者の適正な雇用管理を促進し、共生社会の実現を目指すものです。
この啓発月間は、2008年度(平成20年度)から開始されました。当初は「外国人労働者問題啓発月間」としてスタートし、外国人労働者の雇用に関する課題への対応を目的としていました。その後、2010年代後半から「外国人雇用啓発月間」と名称が変更され、現在に至っています。
背景には、外国人労働者数の増加と、それに伴う雇用管理上の課題があります。特に、派遣や請負といった不安定な雇用形態での就労や、労働・社会保険関係法令の遵守が不十分な事例が見受けられました。これらの状況を受け、政府は外国人材の受け入れと共生のための取り組みを推進しています。
啓発月間の主な内容
「外国人雇用啓発月間」では、以下のような活動が行われています:
・ポスターやパンフレットの作成・配布
・事業主団体などを通じた周知・啓発、協力要請
・各種会合における事業主などに対する周知・啓発
・個々の事業主などに対する周知・啓発、指導
・技能実習生の受け入れに関する事業主などへの周知・啓発、指導
・留学生就職支援窓口等の周知
・労働条件などの相談窓口の周知
これらの取り組みを通じて、外国人労働者がその能力を十分に発揮できる職場環境の整備が図られています。
技能実習制度への主な取り組み
「外国人雇用啓発月間」の実施要領に記載されている「技能実習」に関する内容を紹介します。
1. 監理団体・受入企業への周知・指導
都道府県労働局、労働基準監督署、ハローワークは、技能実習制度に基づいて技能実習生を受け入れている事業主および監理団体に対し、あらゆる機会を通じて周知・啓発、指導を行っています。
「外国人技能実習機構」などの関係機関と連携し、技能実習生に対しても、外国人雇用の基本ルールの遵守や、労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令が適用されることについて周知・啓発を行っています。
2. 不法就労の防止と啓発
実習先から失踪した技能実習生が実習先以外で就労する場合を含め、出入国在留管理庁から認められた範囲を超えて就労するなどの不法就労活動をさせた事業主は、「出入国管理及び難民認定法」に違反します。
この件については、出入国在留管理庁作成の不法就労防止に関するリーフレットの配付を通じ、周知・啓発を行っています。
3. 労働基準監督署による監督・指導
労働基準監督署では、労働基準関係法令違反が疑われる技能実習生受け入れ事業主等に対して監督指導を実施し、違反が認められた場合にはその是正に向けて指導を行い、悪質な事業主等に対しては、送検を行うなど厳正に対処しています。
また、労働基準監督機関と「外国人技能実習機構」との間に設けた相互通報制度の適切な運用に努めています。
4. 人身取引の防止と対応
労働基準関係法令違反に関連して技能実習生に対する労働搾取目的の人身取引が疑われる事案については、「外国人技能実習機構」との合同監督・調査を行い、違反が認められ、かつ、悪質性が認められるものなどについて送検を行うなど、厳正に対処しています。
5. 妊娠・出産に関する不利益取扱いの防止
妊娠や出産を理由に技能実習を一方的に終了することはできません。この点についても、関係機関を通じて周知・啓発を行っています。
これらの取り組みは、技能実習制度の適正な運用と技能実習生の人権保護を目的としています。詳細な情報や最新の取り組みについては、厚生労働省の公式ウェブサイトをご参照ください。