外国人留学生の就職状況
今回は、「出入国在留管理庁(入管)」から公表されている2021年の留学生の就職状況について紹介します。
留学生の就職者数の推移
12年間の外国人留学生の就職者数の推移を示します。
コロナ禍前の2019年(令和1年)は前年に引き続き「30,000人」を超え、最大を記録しましたが、コロナ禍により、留学生の絶対数の減少や景気の低迷により、2020年(令和2年)、2021年(令和3年)と2年続けて減少しています。
2022年3月から入国制限が緩和され、留学生も順次入国し、更に人手不足もあり、今後は増加が見込まれます。
就職した留学生の国籍別
2021年(令和3年)の国籍別の内訳を示します。
職務内容別の許可人数
職務内容別の許可人数を示します。「翻訳・通訳」が最も多く、次いで、海外取引きや事務系、技術者(特に情報系)が多い状態です。
当社には、先に示しましたように「技術者」の依頼が多いです。
その他の特記事項
<月額報酬>
・20万円以上25万円未満:46.0%
・20万円未満 :36.1%
・25万円以上30万円未満:10.7%
<就職先企業等の従業員数>
・100人未満:55.0%と半数を占める。
*50人未満は、43.4%
小規模事業者が、外国人材を雇入れるケースが多い状況です。
<就職先企業等の所在地>
・東京都:35.5%
・大阪府:9.2%
・埼玉県:5.4% *3都府県で「50%」
次いで、神奈川県、愛知県、千葉県、福岡県(3.9%)
今後の動向・課題
外国人材活用の業務の中で感じることを記載します。
1 企業が要求する業務内容と外国人材の経歴(学習内容・経験)が一致しない
*日本人でもなかなか難しい人材を希望する企業が多い
*応募する外国人が、対象の企業のことを事前調査していない
2 日本語能力の面で・・・
留学生は、数年間、日本で生活しているので、日本語の会話能力は高いと思いますが、企業が要求するレベルに達していない場合が多いです。
コンビニや飲食店などでのアルバイトからでは、会話能力の向上は難しいと思います。
また、企業でも、就職後の日本語の勉強に取り組む環境を提供することも必要と感じています。
3 給料や住居などについて細かい質問
求人票である程度の情報は伝えているようですが、企業側の想定以上に細かい質問が多くあるとのことです。
冷静に考えれば、人生において重要な点であるので、理解できるまで情報を提供することの必要性を感じています。
就職の段階で、相互が納得していないと、後に、転職の形になり、双方に負担が大きくなることになってしまいます。
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