永住者と定住者の違い
当事務所には「永住者」に関する問合せの他に「定住者」に関する問合せも多くあります。
「定住者」の在留資格は様々なケースがあります。今回は、「永住者」と「定住者」の違いと「定住者」の在留資格が認められるケースについて説明します。
永住者と定住者の違い
永住者 (Permanent Resident)
1 在留期間の制限なし: 永住者は在留期間の制限がありません。無期限で日本に滞在することができます。
2 就労の制限なし: 永住者は特定の職業に就くための制限がありません。どのような職業でも就くことができます。
3 条件: 永住者の資格を取得するためには、通常以下の条件を満たす必要があります。
（1）日本に引き続き10年以上居住していること（うち5年以上は就労または居住資格を持っていること）。
（2）経済的に自立していること。
（3）法を遵守し、安定した生活を送っていること。
（4）日本の利益に寄与すると認められること。
4 申請プロセス: 永住許可申請は、入国管理局に提出します。審査は厳格で、申請後も長期間を要することがあります。
定住者 (Long-Term Resident)
1 在留期間の制限あり: 定住者には在留期間の制限がありますが、更新が可能です。通常1年から5年の在留期間が与えられます。
2 就労の制限なし: 定住者も特定の職業に就くための制限がありません。どのような職業でも就くことができます。
3 条件: 定住者の資格は、日本で一定の理由により長期にわたり滞在が認められる者に対して与えられます。例えば、以下のようなケースがあります。
（1）日本人や永住者の配偶者や子供であるが、特定の在留資格を持っていない場合。
（2）難民認定を受けた者。
（3）その他、人道的な理由や特別な事情がある場合。
4 申請プロセス: 定住者資格の申請も入国管理局に提出します。永住者に比べると条件が緩和されることがありますが、それでも審査が必要です。
違いのまとめ
在留期間:
・永住者: 無期限
・定住者: 有期限（更新可能）
就労の制限:
・両方ともなし
在留資格の取得条件:
・永住者: 長期間の居住実績や経済的自立など厳しい条件
・定住者: 人道的な理由や特定の状況に基づく場合が多い
永住者はより恒久的な滞在を可能にする資格であり、定住者は特定の事情に基づいて長期間の滞在を認められる資格です。
定住者が認められる主な対象
定住者が認められる主な対象は以下のような人々です。これらの対象者は、それぞれの状況や理由に基づいて定住者の在留資格を取得することができます。
1 日本人または永住者の配偶者や子供
・日本人の配偶者や子供: 結婚や出生によって日本人と家族関係がある場合、その配偶者や子供は定住者として認められることがあります。
・永住者の配偶者や子供: 永住者と家族関係がある場合、その配偶者や子供も定住者として認められることがあります。
2 離婚や死別した日本人の配偶者等
・離婚した日本人の配偶者: 日本人と離婚した後も日本に留まりたい場合、人道的な理由などが考慮され、定住者として認められることがあります。
・死別した日本人の配偶者: 日本人の配偶者が亡くなった場合、その後も日本に滞在するために定住者として認められることがあります。
3 難民認定を受けた者
・難民認定を受けた者: 国際的な保護が必要と認められた難民は、日本での長期滞在が必要とされ、定住者として認められることがあります。
4 日本に長期間滞在している者
・在留資格を失ったが特別な事情がある者: 何らかの理由で在留資格を失った場合でも、日本に長期間滞在しているなどの特別な事情がある場合、定住者として認められることがあります。
5 日系人
・日系人: 日系二世、三世など、日本に親近感があり、一定の文化的・歴史的つながりがある者は、定住者として認められることがあります。
6 その他の人道的な理由や特別な事情
・人道的な理由: 経済的困窮や病気など、人道的な理由により日本での滞在が必要とされる場合。
・特別な事情: その他、日本政府が特に認めた場合など。
まとめ
定住者が認められる主な対象は、日本人や永住者の配偶者・子供、離婚や死別した配偶者、難民、長期滞在者、日系人、人道的な理由を持つ者などです。これらの人々は、それぞれの事情や状況に基づいて、日本での長期滞在が認められル場合があります。
上記のように定住者は様々なケースがありますので、該当するかどうかは当事務所にお問い合せ下さい。