士業・コンサルが直面する「外国人材案件」の実務 - 北九州アシスト法務事務所

士業・コンサルが直面する「外国人材案件」の実務

― 経営支援の現場で起きている具体的なケース ―

前回の記事では、士業・コンサルタントの先生方にとって、外国人材活用がもはや無視できないテーマになっていることをお伝えしました。

前回の記事はこちら

外国人材活用は、単なる人手不足対策ではなく、経営戦略の一部として位置づけられる時代に入っています。

しかし、実際の支援現場では、もう一つの問題が見えてきています。

それは、「外国人材案件がどの専門分野に属するのか分かりにくい」という点です。

税務でもあり、労務でもあり、経営でもあり、そして在留資格の問題でもある。

つまり、複数の専門領域が重なるテーマなのです。

今回は、中小企業支援の現場で実際に増えている外国人材案件について整理してみたいと思います。

中小企業支援の現場で増えている相談

最近、士業やコンサルタントの先生方が顧問先から受ける相談の中で、次のような内容が増えているのではないでしょうか。

・外国人を雇用できないか

・特定技能を活用できないか

・外国人役員のビザは問題ないか

・外国人社員を配置転換しても大丈夫か

・会社の業績が悪いがビザ更新に影響するか

これらは一見すると「入管手続き」の問題に見えるかもしれません。

しかし実際には、

・事業内容

・売上構造

・組織体制

・資金繰り

といった 経営そのものの問題と密接に関係しています。

在留資格は「経営状態」と無関係ではない

特に近年の入管審査では、次のポイントが強く見られるようになっています。

・事業実態

・収益性

・事業の継続性

つまり、会社の経営状態が在留資格に影響するケースが増えているのです。

例えば、外国人経営者の在留資格「経営・管理」の更新では、

・赤字決算が続いている

・事業規模が縮小している

・売上が極端に減少している

といった場合、更新の審査に影響することがあります。

これは、税務・会計の問題と、在留資格の問題が重なる典型的なケースです。

経営支援の中で起きる外国人材問題

さらに最近では、次のようなケースも増えています。

事業再生と外国人役員

経営改善や事業再生の過程で、

・役員構成の変更

・事業内容の変更

・事業規模の縮小

が起きることがあります。

この場合、外国人役員の在留資格に影響する可能性があります。

M&Aと在留資格

M&Aや事業譲渡では、

・会社の代表者変更

・事業内容変更

・会社統合

などが発生します。

これも外国人役員の在留資格と密接に関係します。

廃業と外国人従業員

会社が廃業する場合、

・外国人従業員の在留資格

・転職の可能性

・在留期限

などを整理する必要があります。

このように、経営問題と在留資格問題は、実務の中で交差することが少なくありません。

専門家がすべてを理解する必要はない

ここで重要なのは、

すべてを自分で対応しようとしないことです。

税理士の先生は税務・会計の専門家です。

中小企業診断士の先生は経営分析・事業計画の専門家です。

ITコンサルタントの先生はDX・業務設計の専門家です。

それぞれの専門性を活かしながら、在留資格の部分を専門家に確認するという体制を持つことが重要になります。

外国人材案件は今後さらに増える

外国人材をめぐる政策は現在、大きく変化しています。

・技能実習制度の見直し

・育成就労制度の導入

・特定技能の拡大

・高度外国人材の活用促進

など、日本社会は外国人材を前提とした制度へと変化しています。

この流れは一時的なものではありません。

人口減少が続く日本では、外国人材の活用は今後さらに広がっていくと考えられます。

士業・コンサル連携の重要性

外国人材案件は、

・制度

・経営

・雇用

・税務

が重なるテーマです。

そのため、専門家が連携することで支援の質が高まります。

例えば、

税理士→ 決算・税務

診断士→ 経営改善・事業計画

行政書士→ 在留資格

といった形で役割分担することで、顧問先にとって最も合理的な支援になります。

迷った段階での相談が重要

外国人材案件は、「申請をするかどうか」の前段階で判断が必要になるケースが多くあります。

例えば、

・この在留資格は使えるのか

・更新に問題はないか

・リスクはどこにあるのか

といった 初期判断 が重要になります。

迷った段階で専門家に確認することが、結果として顧問先を守ることにつながります。

外国人材活用は中小企業支援の新しいテーマ

外国人材活用は、今後の中小企業支援において確実に増えていくテーマです。

制度をすべて理解する必要はありません。

しかし、相談できる専門家との連携体制を持つことは、支援の質を高める重要な要素になります。

外国人材活用を「制度問題」ではなく、経営支援の一部として捉える視点が、これからの中小企業支援には求められています。

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