不法就労の要因:外国人・企業の両面で - 北九州アシスト法務事務所

不法就労の要因:外国人・企業の両面で

不法就労に関する取組みを強化

先の投稿記事で「政府の外国人の不法就労対策」の概要を紹介しました。

政府の対策はこちら

ここでは、外国人の不法就労の要因を外国人側と日本の企業側について紹介します。

日本社会の人手不足対策の切り札である外国人の就労が今後ますます増えていくと同時に様々な問題が発生しています。

「外国人との共生」が叫ばれる中、これらの問題は避けて通ることができず、正面から取り組むべきものです。

外国人側の不法就労の要因

外国人の不法就労に対する主な原因として、以下の3つが挙げられます。

1 偽造・変造の在留カードの使用

外国人が偽造・変造された在留カードを使用して就労する事例が増加しています。これにより、正規の在留資格を持っていない外国人が合法的に働いているように見せかけることが可能となります。偽造カードの流通は高度に組織化されており、見破るのが難しいことが問題となっています。

2ブローカーの介在と偽装滞在

国内外のブローカーが関与し、表面的には正規の在留資格を持つ外国人が実際にはその資格に適合しない活動(単純労働など)を行う偽装滞在が増えています。ブローカーは手数料を取って外国人に仕事を斡旋し、その結果、偽装滞在の形で不法就労が横行しています。

3 難民認定制度の濫用

実際には条約上の難民に該当しないにもかかわらず、難民認定申請を行い、その審査中に就労する外国人が増加しています。難民認定制度を悪用することで、正規の手続きで在留資格を得ることなく、日本国内で働くことが可能となってしまいます。この制度の濫用は、正規の難民申請者に対する信頼も損なう結果を招いています。

 

日本の企業側にも問題がある

外国人を雇っている会社側にも多くの問題があります。特に以下の点が問題として挙げられます:

1 低賃金と不当な労働条件

多くの外国人労働者、特に技能実習生は、低賃金で働かされることが多いです。法定最低賃金を下回る給与で働かされるケースもあり、これが原因で労働者が不満を抱き、最終的には逃亡してしまうことがあります。

2 残業手当の不払い

残業手当が適切に支払われないことも大きな問題です。技能実習生やその他の外国人労働者はしばしば長時間労働を強いられますが、その対価としての残業手当が支払われないケースが多く見られます。これも労働者の不満を増大させ、逃亡の一因となります。

3 過重労働

過重労働が常態化している企業もあります。労働者に対する過度な仕事の要求や、劣悪な労働環境が、技能実習生や他の外国人労働者を精神的・肉体的に追い詰めます。これにより、労働者が逃亡し、不法残留となり、不法就労に陥るケースが発生します。

4 労働者の権利の無視

外国人労働者の権利がしばしば無視されることも問題です。適切な労働契約が結ばれず、労働者の法的な権利が守られていない場合、労働者は合法的な保護を受ける手段がなくなります。これが原因で労働者が逃亡し、不法残留・不法就労に繋がるケースもあります。

5 労働者の弱みに付け込む悪質な事業者

外国人労働者の弱みに付け込み、労働搾取を行う悪質な事業者も存在します。彼らは労働者が法的保護を求めにくい立場にあることを利用し、過酷な労働条件を押し付けることがあります。これにより、労働者が逃亡し、不法滞在・不法就労に追い込まれるケースが見られます。

 

これらの問題に対処するためには、企業側のコンプライアンスの徹底と労働条件の改善が不可欠です。また、政府や関連機関による監視・取り締まりの強化、外国人労働者に対する法的保護の充実が求められます。

 

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