外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ
令和4年6月、我が国が目指すべき外国人との共生社会のビジョン、それを実現するために取り組むべき中長期的な課題及び具体的施策を示すロードマップを決定しています。今回、令和6年(2024年)6月21日に、施策の着実な実施を図るため、その実施状況について有識者の意見を聴取した上で点検を行い、施策の見直し等を実施しています。
ここでは、このロードマップの全文(110ページ)をChatGPTの協力で要約したものを紹介します。
今回の見直しでは、在留外国人の「日本語教育」が特に取り扱われていますので、その内容も記載します。
ロードマップの概要
「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」は、外国人が日本社会において安全に安心して暮らし、社会に積極的に参加できる共生社会を実現するためのビジョンと具体的な施策を示しています。このロードマップは以下の主要な項目から成り立っています。
1 基本的な考え方
日本における在留外国人数は増加傾向にあり、令和5年(2023年)末には約341万人となっています。外国人が日本社会の一員として生活しやすい環境を整備するため、政府と地方公共団体が連携して様々な施策を実施します。
2 目指すべき外国人との共生社会のビジョン
外国人が日本社会の一員として受け入れられ、安全に安心して暮らせる社会、全ての人が社会に参加し、能力を最大限に発揮できる多様性に富んだ社会、差別や偏見なく個人の尊厳と人権を尊重する社会を目指します。
3 重点事項
(1)日本語教育等の取組:
・外国人が生活するために必要な日本語能力を身に付け、社会にスムーズに参加できるようにする。
・日本語教育の質の向上や日本語教師の育成を推進。
(2)情報発信・相談体制の強化:
・外国人が必要とする情報に迅速かつ確実にアクセスできるよう、情報発信の工夫と相談窓口の充実を図る。
・災害時などの非常時にも外国人が安全に対応できるようにする。
(3)ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援:
・外国人の乳幼児期から高齢期までの各ライフステージに応じた支援を提供。
・就学、就職、生活支援などの施策を実施し、外国人が日本社会で円滑に生活できるようにする。
(4)共生社会の基盤整備:
・外国人と日本人が共に社会を構築していくための基盤を整備。
・社会制度や生活状況の理解を深めるための教育や啓発活動を推進。
4 具体的な施策
(1)日本語教育:
・日本語教育の機会を提供し、日本語能力を高めるための支援を行う。
・日本語教育の質の向上や日本語教師の育成を推進。
(2)情報発信・相談体制:
・外国人が必要とする情報にアクセスしやすくするための情報発信方法を工夫。
・相談窓口の充実と支援体制の強化。
(3)ライフステージ支援:
・乳幼児期から高齢期までの各ライフステージに応じた支援を提供。
・就学、就職、生活支援などの施策を実施。
(4)共生社会の基盤整備:
・外国人と日本人が共に社会を構築していくための基盤を整備。
・社会制度や生活状況の理解を深めるための教育や啓発活動を推進。
5 推進体制
・政府と地方公共団体、外国人支援団体等が連携し、施策の実施状況を定期的に点検。
・施策の見直しや意見聴取会の開催を通じて、より効果的な共生社会の実現を目指す。
このロードマップは、外国人が日本社会において安心して暮らし、社会の一員として積極的に参加できる環境を整えるための具体的な施策とビジョンを示していますので、外国人材を雇入れている、人手不足解消のための外国人材の活用を検討されている企業など、今後の外国人材活用の取組みの参考にして下さい。
日本語教育の推進
「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」における「日本語の教育」について、以下に説明します。
日本語教育の現状と課題
現状、日本には約15万人の外国人住民が日本語教室の開設されていない市区町村に居住しており、日本語教育の機会が十分に提供されていません。また、日本語教室が設置されていない市区町村は全体の約44%にのぼり、ノウハウや人員不足が課題となっています。さらに、外国人がライフステージに応じて必要な日本語を体系的に学ぶための基準や、日本語教師の質と量の確保も課題とされています。
5年後の目標
5年後には、外国人が生活のために必要な日本語能力を身に付け、社会制度に関する知識を習得できる環境を整備することを目指しています。
具体的な取組
(1)日本語教育環境の整備:
・都道府県や指定都市が地域日本語教育の総合体制を構築し、日本語教育機関や企業と連携して日本語教師を活用する取組を国が補助します。
・日本語教育プログラムの開発や日本語能力評価ツール「にほんごチェック!」の普及を推進し、外国人が必要な日本語能力を身に付ける支援を行います。
(2)日本語教育の質の向上:
・令和5年に成立した「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」に基づき、日本語教育機関の認定審査や日本語教師の資格制度を整備し、日本語教育水準の向上を図ります。
・「日本語教育の参照枠」を活用し、留学、就労、生活の各分野に対応した教育モデルを開発し、日本語教育の質の向上を目指します。
(3)地域日本語教育の推進:
・市区町村間の情報交換や教室開設ノウハウの共有を促進し、アドバイザー派遣を通じて日本語教室の開設・安定化を支援します。
・地域の日本語教育を支える日本語教師や学習支援者に対する研修ややさしい日本語の普及を推進します。
(4)オンライン講座等の実施:
日本語教室の設置が困難な地域の外国人向けに、生活場面に応じたICT教材を開発・提供し、動画コンテンツを追加するなどして日本語教育の充実を図ります。
(5)来日前の日本語教育:
独立行政法人国際交流基金(JF)を通じて、「JF日本語教育スタンダード」に準拠した教材を提供し、来日前の日本語教育環境の普及を実施します。
これらの施策を通じて、外国人が日本社会において円滑にコミュニケーションを取り、社会に参加できるよう、日本語教育の環境整備と質の向上を目指しています。
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