外国人の労働者の状況
2023年10月末時点外国人労働者の状況
2024年1月26日に厚生労働省から2023年(令和5年)10月末時点の外国人労働者の状況が公表されています。
これは、各雇用主から届出がされたものを集計したものです。なお、外国人材を雇った場合は届出を行うことが2007年(平成19年)から義務化されています。
外国人労働者数の推移
2008年から15年間の外国人労働者数の推移を示します。
2023年(令和5年)10月末時点の外国人労働者数は、「2,048,675人」と過去最高を更新しています。
前年からの増加率は「12.4%」で、コロナ禍前の水準になっています。現在、日本は深刻な労働者不足になっていますので今後も増加していくと思われます。
国籍・地域別の状況
労働者数が多い上位3ヶ国
第1位 ベトナム 518,364人 (全体の25.3%) [前年 462,384人]
第2位 中国 397,918人 (全体の19.4%) [前年 385,848人]
第3位 フィリピン 226,846人 (全体の11.1%) [前年 206,050人]
ベトナムは、「技能実習生」「特定技能人材」が多く、また、留学生も多いことから今後も増加が見込まれます。
対前年増加率が大きい主な3ヶ国
第1位 インドネシア 121,507人 (前年比56.0%増) [前年 77,889人]
第2位 ミャンマー 71,188人 (前年比49.9%増) [前年 47,498人]
第3位 ネパール 145,587人 (前年比23.2%増) [前年 118,196人]
インドネシアとミャンマーは「技能実習生」「特定技能人材」の増加、ネパールは留学生の増加による「資格外活動(アルバイト)」が増えたことによります。
在留資格別の状況
在留資格別では「身分に基づく在留資格」が最も多く、この中には「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」が含まれます。永住者は年々増加しています。
「専門的・技術的分野の在留資格」には主に「技術・人文知識・国際業務」ですが、「特定技能」も含まれています。「特定技能」は「138,518人」で全体の「6.8%」ですが、今後は大きな増加が見込まれます。
*「技能実習」から「特定技能」へ移行しても、離職を伴わずに、同一の事業主に引き続き雇用される場合には、外国人雇用状況届出の提出が義務づけられていないので、「技能実習」の中に「特定技能」が含まれている場合もあります。
事業者規模別の状況
次の図をみると「従業員が30人未満」の事業者で働く外国人が最も多くなっています。
小規模事業者には日本人の採用が難しい現状を反映しています。
人手不足の対策として外国人材の活用を
先日、北九州商工会議所の「機械・金属部会」の勉強会と懇親会(新年会)に参加しました。その中で経営者のほとんどが「人が集まらない」と話されていました。
また、焼酎の製造現場を見させて頂きました。かなり機械化(自動化)されていましたが、焼酎をビンに充填した後の異物混入やガラスビンの傷の確認にはかなりの人の作業が入っていました。
今後、日本の生産人口の減少が加速度的に進み、人手不足は更に深刻になってきます。
政府は、現場の作業員の数と質の確保を目指して、外国人の「特定技能制度」を拡充する政策を進めています。
また、30年以上続いた「技能実習制度」を廃止し、これに変わり「特定技能制度」の前段階として「育成就労制度」を設置することの法制化を進めています。
更に、高度な知識やスキルを持っている「高度人材」の確保を目指して、各種の制度改革も進めています。
これらの取組みを理解して、自社の「人材・人手」確保の検討を進めることも今後の経営戦略として有効かと思います。
当事務所では、関連機関の「アシスト国際事業協同組合」や他の人材関係の機関と連携して、「外国人材の活用」を進めていきます。
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