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経営戦略(5)戦略立案:どうやって勝つのか①

北九州アシスト法務事務所が考えている「経営戦略のステップ」を改めて示します。

1.現状を正しく認識する(自社、市場や顧客):紹介済み

2.自社の「事業ドメイン事業領域)」を設定する:紹介済み

3.上記に基づいて「事業戦略」を立案する:今号で紹介

4.事業戦略に基づいて計画を作成する

今号では、前号までの「現状の正しい認識」に基づく、「事業戦略の立案」について紹介します。

なお、戦略を立案する上での基本は、「会社が継続するため」であり、そのため、「財務的」に成り立たなければ意味がありません

財務面については、別途紹介したいと考えていますが、「戦略と財務の両立」は必須ですので、この後の号で紹介する「計画」の中には、財務面(売上・利益)を考慮したものにする必要があります。

 

SWOT分析からの戦略立案

前々回の号で「現状の正しい認識」の整理方法として、「SWOT分析」を紹介しました。

「SWOT分析」は、「自社が持つ強み(Strengths)」と「自社が持つ弱み(Weaknesses)」及び外部環境である市場・顧客、競合に対して「有利な環境である機会(Opportunities)」と「不利な環境である脅威(Threats)」を分析することです。

ここで整理した各項目を基に、戦略を立てる考え方を示します。

1.強みを活かし弱みを克服する

競合と差別化して優位に立てるのは、「自社の強み」を更に伸ばすことが最も有効です。

前々回の号で「強み」に関して、また前号で「コア・コンピタンス」について紹介しましたが、会社によっては「自社の強み」を認識していない場合があります。

競合他社、あるいは付き合いのある「得意先」や「仕入先」が強みと思っていることを見逃していることもあります。

自社の技術力、開発力、保有特許、販売ルート(営業力)、調達ルート(調達力)あるいは社員の資質など、再度、多面的に見直して下さい。

ここまで、継続的に、ある程度の実績を出している会社であれば、何かしら「強み」を持っていると思います。

そして、資源の投入により、この強みを更に強化して、競合の追従を許さないようにすることが効果的な戦略になります。

弱みの中で、自社で克服しなければ競合先に対抗できないものは、取り組む必要はありますが、全てを自社で対応すると「経営資源」が分散してしまいますので、アウトソーシングによる取り組みや思い切って回避する検討が必要です。

「弱み」の克服は、必要最小限にとどめて、「強みの強化」に経営資源を集中することの方が有効です。

ただし、「弱みの克服」は、自社の経営革新を進めるきっかけになることもありますので、「弱みを強み」に転化できる可能性もあります。

2.機会を活かし脅威を克服する

日常の経営活動では、環境変化について認識はしていても、なかなか自社の問題として捉えることはできなく、気付いた時は手が付けられない状態になる可能性があります。

外部環境(経営環境、市場、顧客)の機会は、競合先に先手を打たれる前にチャンスとして活かすことが必要です。

特に、許認可事業に関連する企業は、法規制の動向を注視し、規制緩和の進展により、新しいビジネスチャンスが生まれることがあります。

一方、外部環境の脅威は、克服していかなければなりませんが、この脅威は「競合先も同じ」なので、脅威を先取りして手を打つことによって「脅威を機会」に変えることもできます。

3.クロスSWOTによる4つの戦略

「強み・弱み」と「機会・脅威」を掛け合わせて戦略を考える方法です。

次の4つの戦略が導かれます。

①積極的攻勢戦略(SO戦略):強みを活かして機会を勝ち取る

②差別化戦略(ST戦略):強みを活かして脅威を回避する

③段階的改善戦略(WO戦略):弱みを改善して機会をつかむ

④防衛または撤退戦略(WT戦略):弱みを改善して最悪の結果を回避

①の「SO戦略」が成長戦略として魅力的ですが、状況によっては「WT戦略」をとる決断をしなければならない場合もあります。

4つの組み合わせによる戦略をリストアップし、実施の優先順位を付けて進める必要があります。

 

5フォース分析からの戦略立案

前々回で、現状の正しい認識の整理方法として、「5フォース分析」について紹介しました。

その中で、対応としての戦略について若干示しましたが、ここでは、再度、各フォースについての戦略の基本的な考えを示します。

1.新規参入の脅威

競合先や他の業種からの参入を防ぐには、「参入できない障壁」を作ることです。

その障壁には、「他が容易に真似ができない製品、技術力、コスト力、品質力」があります。

それを守る手段として、「特許、ブラックボックス化されたノウハウ、社内の管理能力、社員の能力」が必要です。

会社は、常に、この参入障壁を維持するあるいは高める必要があります。

当然、これは、先に示した「自社の強み」「コア・コンピタンス(核となる力)」と関連があります。

2.代替製品・代替サービスの脅威

5つの力の中で最も脅威的なものが「代替製品・代替サービス」の出現です。

今まで、販売していた製品、顧客に収めていた部品にとって替わるものがでてきた場合、全く対応できないことがあります。

これを防ぐ、あるいは被害を最小限にするには、常に市場動向、技術動向の情報収集を行う必要があります。

また、顧客との関係では、言われたことを実行するだけでなく、顧客との良好な信頼関係を持って、可能であれば、共同開発の関係に持ち込み、顧客の次の手を早くキャッチしてそれに対応できる準備をしておく必要があります。

顧客にとっては、自社で対応できないものは、最も親密な関係がある会社に最初に情報を出します。

3.買手(顧客)の交渉力

主要な顧客に対しては、「自社がなくてはならない存在」になることが重要です。

「オンリー1の供給先」になることが理想ですが、主要顧客に対しては、最も影響力がある(最も供給量が多い)立場を築くことが必要です。

そのためには、「顧客の要求すること」を早くキャッチして、顧客に「提案できる」関係を築くことが重要です。

逆に、取引量が少なく、先の展開も期待できない顧客(利益率が低い)とは思い切って付き合いを止めることも必要になります。

4.売手(供給業者)の交渉力

売手に対して有利に立てるのは、「大量に購入する」「規格品か汎用品を購入する」「供給業者を変更するのに費用がかからない」などの場合です。

そのためには、製品の設計段階から、「供給業者に依存しない」ものを選定して、供給業者に依存しないようにする必要があります。

また、購入に対しては、複数社が競合する状態にして、安価に購入できる状態を築き、場合によっては分散している供給先を絞って「大量発注」するような手段を取ることも必要です。

5.既存競合同士の敵対関係

既存競争企業間の敵対関係で、競争が激しくなります。

競争企業の状況を把握して、競争の中で「自社の立ち位置」を検討していく必要があります。

そのためには、「自社の強み」「コア・コンピタンス」を有効に利用して、「差別化・集中化」を行うことが必要になります。

なお、「差別化戦略」「集中化戦略」については、次号で紹介します。

今号では「戦略立案」に関して「現状の正しい認識」のための手法から事業の種類によって、それぞれ対応が違います。

製造メーカー勤務であったため、視点が「製造メーカー」主体になってしまいましたが、基本的な考えは、業種が異なっても同じと思います。

「現状を正しく認識」して、その現状に対して、将来の動向を加味して、自社のあるべき姿を描いて対策を戦略的に立案することが重要です。

北九州アシスト法務事務所は、主に、中小企業支援を業務とする行政書士事務所です。

経営理論だけでなく、現場に出向き、自社の状況を的確に把握して、それに対する「経営戦略」を経営者の方と共に考え、実践できるお手伝いをさせて頂きたいと願っています。

次回は、「全社戦略」と「機能別戦略」について紹介します。

 

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