組合ブログ(10)作業現場の外国人活用は大きな転換点へ - 北九州アシスト法務事務所

組合ブログ(10)作業現場の外国人活用は大きな転換点へ

― 「育成就労制度」開始を前に、今考えるべきこと ―

近年、日本における外国人材の受入制度は大きな転換点を迎えています。

その中心にあるのが、現在の「技能実習制度」から、2027年に開始予定の「育成就労制度」への移行です。

2024年6月、政府は技能実習制度を抜本的に見直し、新たな制度として「育成就労制度」を創設する法改正を行いました。これは従来の制度を段階的に終了し、新しい仕組みに移行することを意味します。

本稿では、技能実習を取り巻く最近の動向と、監理団体・受入企業が今後考えておくべきポイントについて整理したいと思

います。

1 技能実習制度が見直される背景

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的としてスタートした制度です。

しかし近年は、日本国内の人手不足を補う「労働力」として利用されている実態も多く指摘されてきました。

また、

・実習生の失踪

・不適切な労働環境

・制度目的と実態の乖離

などが国内外から問題視され、制度の抜本的見直しが議論されてきました。

こうした背景から、「技能移転」という理念だけではなく、日本の産業を支える人材育成制度として再構築する方向で制度改革が進められました。

2 新制度「育成就労制度」とは

新制度である「育成就労制度」は、2027年4月から開始予定とされています。

この制度の目的は、従来の技能実習とは異なり、「人材育成」と「人材確保」を明確な目的として掲げている点です。

主な特徴として、次の点が挙げられます。

(1) 特定技能への移行を前提とした制度

3年間の就労を通じて技能を習得し、その後「特定技能」へ進むキャリアパスが想定されています。

(2) 転籍(転職)の一定の緩和

従来は原則として転籍が認められていませんでしたが、新制度では一定の条件下で認められる方向です。

(3) 制度目的の明確化

「国際貢献」中心から、「日本の産業を支える人材育成」へと政策目的が変化しています。

つまり、新制度は単なる研修制度ではなく、外国人材を日本の労働市場の中で育成していく仕組みと言えるでしょう。

3 監理団体の役割も変化する

制度改正に伴い、監理団体の役割も変わっていきます。

育成就労制度では、監理団体に相当する組織は「「監理支援機関」と呼ばれる予定です。

そして、従来よりも

・法令遵守体制

・外部監査

・支援体制

などの要件が厳格化される見込みです。

これは、制度の信頼性を高めるとともに、外国人材の保護を強化するための措置とされています。

監理団体にとっては、「単なる手続き機関」から「外国人材の育成支援機関」へ役割が変化していくことになります。

4 今後数年間は「移行期間」

ただし、技能実習制度はすぐに終了するわけではありません。

制度は段階的に移行され、一定期間は技能実習と新制度が並存する形になります。

そのため、今後数年間は

・技能実習制度

・特定技能制度

・育成就労制度

という複数の制度を理解しながら運用していく必要があります。

受入企業にとっても、制度の選択や人材育成の計画がこれまで以上に重要になります。

5 監理団体に求められる役割

今後、監理団体に求められる役割はさらに大きくなると考えられます。

例えば、

・実習生の生活支援

・日本語教育の支援

・受入企業の労務管理支援

・特定技能への移行支援

など、単なる制度運用を超えたサポートが必要になります。

つまり、監理団体は、「外国人材の受入を支える地域インフラ」としての役割を担うことになるでしょう。

6 外国人材との共生の時代へ

日本の少子高齢化が進む中で、外国人材の存在は今後ますます重要になります。

制度の名称や仕組みは変わっても、外国人材と共に働き、共に成長していく社会を作ることが、日本企業にとって重要な課題であることは変わりません。

制度の移行期である今こそ、外国人材の受入の目的や育成のあり方を改めて考える良い機会ではないでしょうか。

アシスト国際事業協同組合としても、今後の制度動向を注視しながら、受入企業の皆様とともに、より良い外国人材の受入体制の構築を進めていきたいと考えています。

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